その妙な体験をしたのは10歳ごろ、私はいつも両親と同じ部屋で寝ていて、その日もなんの変哲もない平凡な一日。いつもと同じようにお風呂に入り、布団に入りました。
その頃私は寝ようと目を閉じるといつも紫色のペイズリー柄のようなものが見えて激しいめまいの様なものに襲われて目が覚めるということがよくありました。
大抵は一度目が覚めると後はそのまま眠れていたのですが、その日はそのめまいが襲ってきた後、ハッと目を開けると、隣で眠っているはずの両親がいません……。
いつも眠れないときは起きてリビングで両親と少し過ごしてまた寝るということをしていたので、それならリビングでテレビでも見ているはず、と思いリビングへと歩きました。ふと廊下から玄関を見ると玄関のガラス戸にまるで美術室の石膏の胸像みたいなものがふたつ写っていて、二人で話でもしているかのようにうなずいていました。
これは夢か何かか?とかなり怖かったにもかかわらずそれをやり過ごしリビングを覗くと、そこには誰もおらずテレビは砂嵐状態。
時計は22時半頃を指していたと思います。
普段両親がそんな時間に出掛けることなどなく、飼っていた猫もおらず何の音もせず、とにかく周囲が赤い、外も夜なのに夕暮れのよう、テレビも砂嵐なのに音は無くて、静か過ぎてキーンという耳鳴りのような音がしていました。
狭い家なので隣接したキッチンにもお風呂にも誰もいません。
私はパニックになり隣の祖母の家に行くことを考えましたが、玄関にはあれがいます。どう考えても通れるとは思えず、半泣きで両親と猫の名前を呼びながら布団に戻り、頭から布団をかぶって必死でこれは夢だから寝ようと目を閉じました。
どれくらい時間がたったのか分かりませんが何かが私の布団の上を歩くのが感じられました。音はありません。飼っていた猫が来たのかと思いましたが二歩で私を跨いで向こう側に立った気配がしたので猫ではない!とすっかりパニックになりもう死ぬかと思うくらい恐ろしく、背筋がぞっとしておそらく気を失ったのか男の声で何か聞こえたような気もしましたがもう何も分からなくなりました。
次に目が覚めると両親は普通に寝ており、足元で猫も寝ていました。
母に抱きついて泣きじゃくり、しかし母はどこにも行ってないしずっといた、と。どうにも不可解でした。
ずっと夢だと思っていましたが数年前オカ板で似たような事例を見てやっと腑に落ちたような感じです…。
(香川県 女性)