昔、家族で埼玉県の山の中の温泉に旅行に行きました。正直、何もない所で、ゲームも無ければ、テレビも無く、正直つまらなかった。家族は、温泉に入って気持ちよさそうに眠っています。
私は、こっそり部屋を出て旅館内を散策へ。すれ違うのは大人ばかり。
ふと、非常口が開いてるのが見えたので、近くに行くと、ガラス張りのドアの向こうに、小高い山と、その上に古い鳥居らしきものが見えました。
隣が神社と言うこともあって、小さい頃から鳥居には、不思議とよく目が合いました。靴を履いて、さっそく私は鳥居へ向かいました。
そこの鳥居までの坂道は、まるで管理がされていない程の草が覆い茂っていて、非常に歩きにくい。見えて来た小さな鳥居の向こうには、小さなお社がありました。
中は、暗くて見えなかったが、とりあえず、ポケットに入っていた十円玉を、小さな賽銭箱の中に入れて、拝んだ。(何を拝んだかは覚えていない)社の西側は大きな木があって、東側は背の高い草が生えていました。
先に何かあると思い進むと、足元が突然浮遊感に襲われ、反射的に後ろに体重をかけ、しりもちをついてしまいました。
草でよく見えなかったが、そこは崖。
下を覗くと、車が小さく見るほどの高さ。
風が、ごおっと音を立てて吹くと、社の扉が、ガタガタと揺れ出し。私は怖くなって、脱げてしまった靴を握ると、そのまま元来た道を走って、部屋に逃げ帰りました。
翌日、帰る前にもう一度、鳥居まで行こうしましたが、そこは草ぼうぼうの坂道はアスファルトになっており、鳥居は、赤く色が塗られていました。
そして、崖だった場所にはしっかりとした橋が架かり、他のホテルの階と直接渡り廊下で繋がっていたのです。
社の前には、蹲のような水おけが置かれ、宿泊客が、楽しそうに参拝をしており、私が昨日行った神社はまるで、廃神社のような雰囲気でした。
なぜ未来とも過去とも感じさせる神社に行ったのかよくわからない出来事でした。
(群馬県 女性)