当時私は学生で1人暮らしをしており、家族とは離れて暮らしていた頃の体験談です。
そして私には霊感はないのですが、妹は霊感があるようで、よく心霊体験や金縛りなどの話を聞いておりました。
ある日のこと、妹があまりにも毎夜金縛りに遭うため、お寺に御札を貰いに行くという話を母から聞き、私は「いつものことだな」と気にしていませんでした。
それから数日後、妹の様子がどうなったのか気になり電話をして聞いてみたところ、御札を貰った翌日から金縛りは治まったとのことでした。そして毎日、肩下くらいの黒髪の女が枕元に立っていたそうで、現れなくなって安心したという話もされました。
その話を聞いた日の夜の事です。
いつも通り寝ていると急に手が痺れてきたので、手を動かそうとすると自分の体が全く動かないことに気付きました。目だけは動かせたので辺りを見回すとベッドの横に肩下までの黒髪の女が立っており、私は恐怖のあまり目を閉じようとしたのですが、今度は目を閉じることもできなくなり、そして女は私の肩を掴んで手繰り寄せようとしてきたのです。
女の手はとても冷たく、私は必死に体を動かしてその手を振り払おうとしました。すると女は、部屋の端まで転がっていき、見てみると女は上半身だけしかありませんでした。
その瞬間に金縛りは解けて、女も消えていたのです。
結局金縛りに遭ったのはその1度きりで、その後は気にもとめることもなく3日が経ちました。
その日は友人が家に来ておりお酒を飲んでいたのですが、ふざけた友人に突き飛ばされてしまい転倒して、そのまま動けなくなり救急車に運ばれてしまいました。
結果、大腿骨頸部内側骨折で重傷と言われ即入院する事態となり、「以前のように歩けるか保証は出来ませんが出来る限りはやります」と言われ緊急手術を受けることになってしまったのです。
手術は無事に終わったのですが、その日の夜に再び金縛りに遭い、病院のベッドの横にまたあの女が立っていました。
そして私の顔のすぐ近くまで寄ってきて何を言っているかはわからないのですが、何かを必死に話そうとしており、すぐに消えてしまいました。ほんと一瞬の出来事でしたが、恐怖でその日は一睡もできなかったです。
その後はその女は現れていないのですが、きっと妹に悪さをしようと思ったが、御札で近寄れなくなり、私が話を聞いたので私に悪さをしたのだと、そう感じた出来事でした。
私の脚は無事完治もして、それからは一切、霊的現象は起きていません。しかし今でもあの不気味な女の顔ははっきり覚えています。
(徳島県 女性)