製作したフィギュアが起こした不思議な現象
私は昔から造形などが好きで、幼い時からプラモデル造りからフィギュア造りまで幅広く制作してきましたが、前に1度だけ制作後に不可解な現象が起こった造形作品についての体験談を紹介させていただきます。
今から20年ほど前の2000年になったばかりの頃で、日本最大級の造形販売イベントが千葉県の幕張メッセで開催されました。私はそこで自分で制作したフィギュアを複製して販売します。そのために日々深夜遅くまで制作を続けなければならず、ほぼ無休で没頭しておりました。
フィギュアを量産するためにはまず型をしっかり作り、そこに樹脂を流して量産させるのですが、その前の工程としてフィギュアの原型を制作しなければいけません。その方法は石粉粘土で人の形を作っていきます。その時制作していたモチーフは「鬼のキャラクター」でした。工程も押しており、毎回タイトなスケジュールで制作。私自身もかなり疲弊していたことは事実です。
そんなある日、深夜1時頃に粘土で造形をしていると、フィギュアが真っ赤になっている部分を発見しました。もちろん塗料は使っておらず、今までこのように勝手に着色された経験などありません。ふと自分の手を見てみると、手が真っ赤に染まっていました。そして切った記憶もないのに手のひらは傷だらけになっており、血がにじみ出しております。もちろん痛みはありません。暑い日でしたが妙に寒気がしたことを憶えております。
原因もわからず釈然としないまま、今日は作業を止めようと手を洗いに洗面所へ。そして手をしっかり洗い流した手を見確認すると傷がすべて消えており、どこを探しても傷が見当たりません。気味が悪くなりましたが、何かの間違えだろうと考え就寝しました。
翌日起きてフィギュアを見てみると、両腕は下げた状態で拳を握り構えるという姿勢で制作していたはずなのに、天を仰ぐようなポーズに変わっていました。
私はあまりそうゆう趣旨の話は気にしないようにしているので、何度も元のポーズに戻し、作り直しましたが、やはり次の日になると天を仰ぐポーズになってしまうのです。そしてその度にフィギュアも赤くなり、手も赤くなる……そんな日々が数日続き、さすがに恐ろしくなり鬼のモチーフで制作するのを止めて、同時進行で制作していたフィギュアをイベントへ出品することにしました。
(北海道 男性)
お面が起こす怪奇現象
私は祖母の家に泊まるのが苦手でした。何故なら、泊まるときには必ず仏間に布団を敷かれるのです。更に、玄関入ってすぐの壁には赤鬼青鬼のお面が飾られています。そこを通らないとリビングにもトイレにも仏間にも行けません。しかも高い位置に飾ってあるので、子供の私は脚立に立ってもギリギリ届くか、という高さにありました。
夜トイレに行くときに一人で鬼に見下ろされながらそこを通ることがひたすらに恐怖でした。ある日の晩、私が夜中にトイレに起きた時のことです。
行くときに普段なら恐る恐る歩くのに、その時は何故か普通に通りすぎることができました。その頃には小学生だったので「ああ、もう慣れたのかなぁ。昼間見る分にはなにも怖くなくなったもんなぁ」と、納得しながらトイレを出ました。
余裕が出てしまった私は「どれ、そんなに怖くないならたまには夜に顔を見てやろう」と見上げると、鬼の面がありません。
時間は覚えていないので、日付を超えていたかは覚えておりません。しかし、眠る直前にはあったのです。また、大人でさえ脚立を使わなければ取れない高さです。
脚立は家の外の駐車場にありますし、古いので少し運ぶだけできしむような音がするので、嫌でも気付きます。
私は鬼が家の中を徘徊している!と思い、母の布団に逃げ込みました。
次の朝見ると、鬼たちは何事もなかったかのように普段の場所にかかっていますし、誰もそこから外したなんて言いません。また、鬼の面が消えたのは後にも先にもそれきりでした。
(宮城県 女性)