病室にいた黒い影
父親との体験を紹介したいと思います。
父は肺がんで、治療も望めず、病院のなかでも、緩和ケア病棟という場所に入院していました。緩和ケア病棟とは、治療ではなく、できるだけ病気による苦痛をやわらげて最期を迎えられるように身体的、精神的、社会的な苦痛をできるだけ取り除こうという病棟です。治療ではないため、日に日に食事が取れなくなり、痩せていくのがわかりました。
ある日、看護師の方から、部屋移動をお願いされ、父と準備を行い、新しい部屋にはいると、トイレに人影のようなものがみえました。父と「誰かいるのかな」と会話し、父から「だしてあげなさい」と言われ、トイレのドアを確認すると、誰もいない。父と二人で苦笑いしました。
それから一週間しないうちに、父はあの世へと旅立っていきました。僕はあの時の黒い影が忘れられなく、いろいろと調べてみると、それは死神だという情報をえることができました。実際に死神かどうかはわかりませんが、あの影をみて、数日で亡くなったこと。また、緩和ケア病棟は最期を迎える方が多いことを考えるとあの影は幽霊の類だったのではと思います。父と二人で確認したのですから間違いなく、思い出すと背筋が寒くなるのを今でも感じます。
(沖縄県 男性)
夢に現れた死神
私が高校生の時、ある古いアパートに住んでいて上の階にご老人の男性がひとり暮らしで住んでいました。
私はその日とても疲れていたので、帰って直ぐ寝てしまったのですが、突然金縛りに遭い、目が閉じない状態になりました。そうすると、世間一般で言う死神のようなものが私の体の周りをぐるぐるとうろついていました。そして私の顔をじーっと見ると·····「お前じゃない」と言って上に上がっていきました。
そしてパッと目が覚めてその事が夢だと知りました。何だかすごい怖い夢を見たなと思いつつ、その日は土曜日だったのでバイトへ行く準備をして出かけました。
そしてその日の夜に、昨日夢に出てきた死神が上の階のおじいさんの周りをぐるぐると回っている夢を見ました。私には「お前じゃない」と言ったその死神が上の階のおじいさんに対して「みつけた。」と言い、そこで目が覚めました。
直ぐに「上の階のおじいさん最近見た?」と母に訪ねると見てない。とのこと。でも自分で確かめる勇気もなく、それから2日たったある日警察の方が家に来て、上の階のおじいさんが亡くなったことを知りました。いわゆる孤独死。病死だったそうです。死亡推定時刻からすると日曜日の朝方。つまり私が夢に見た時間帯でした。とても怖い予知夢でした。
(埼玉県 女性)