動物に魂が入るという慣習が残る地域
10年ほど前、祖父ががんで亡くなりました。
気付いた時には余命1ヶ月。あっという間でした。
病気がわかってから、娘である母は高速で2時間かかる実家まで毎週通い、祖父の入院している病院に私を連れていきました。
余命1ヶ月と言われましたが祖父は頑張り、そこから半年の間生きてくれました。
祖父が亡くなったのは蒸し暑い梅雨の季節で、母から知らせの電話を受けた時のことを今でもよく覚えています。
涙声の母に対して、中学生だった私はどうすることもできませんでした。
母の実家でお葬式を終え、家に帰ってきた時、玄関の傍にある鉢植えに隠れるようにして猫がいるのをみつけました。
白と黒のぶちの猫で、まだ大人になりきっていない若い猫といったところ。
その猫は疲れて帰ってきた母と私を見ると立ち上がり、玄関の前に行きました。
おじいちゃんなのかな、と私は思いました。
母の実家では、不謹慎かもしれないですが、人が亡くなって間もない時、例えば部屋で飛んでいる虫を見たら「〇〇さんじゃない?」と、亡くなった人が虫になって遊びにきたと考えていました。
なのでそのぶち猫が、おじいちゃんになって遊びにきたのではないかと…そう思ったのです。
「入りたいの?」疲れているはずの母が、優しく猫に問いかけました。
そして玄関を開けると、猫は当たり前のように中に入り込んでいったのです。
白と黒のぶち猫は、タマという平凡な名前をつけられ今も我が家に暮らしています。
初対面であれだけ堂々としていたのに、実はこわがりな性格だったようで、お客様が来ると素早く逃げて出てこようとしません。
あの時、おじいちゃんはタマに乗り移っていたのね、と、何度か母は言っていました。
(女性)
祖父が亡くなった後に聞こえてきた猫の鳴き声
今からもう、数年前のことなんですが、私の祖父が亡くなってお通夜をした夜に起きたことです。
当時私は一歳の長男と妊娠7ヶ月だった為、本来親族はお通夜の会場で泊まるのですが、私と旦那と長男、そして私の兄が実家に戻り休むことになりました。
兄は自分の部屋に私たちは二階にある空き部屋で寝ていた時です。
夜中に猫の鳴き声が聞こえてきました。
実家は猫は飼っていないので不思議に思いながらも、疲れていたのでそのまま眠りにつきましたが、今度は階段を上がり部屋の前で鳴き声が聞こえ、なんとなく怖くなり、旦那を起こし部屋の扉を開けてもらいましたが、そこには何もなく、下に降りて他の部屋や、玄関を確認しても変わりありませんでした。
朝になりそのことを兄に話すと、猫は知らないけど、夢でじいちゃんが別れを言いに来た。と話してました。
朝食を作りに来てくれた、祖母にも昨夜の話をすると、じいちゃんは猫が好きだから、猫になって、別れを言いに来たんじゃないの?と言っていました。
その日の告別式では、大好きなタバコを棺桶に入れるため、祖父のタバコ入れを見ると、私が小さい頃書いた猫の絵が大事にしまってありました。あの時の猫は祖父だったんですかね
(北海道 女性)