6年前に旅行で訪れたモルディブのシュノーケリング体験に行った時の体験談となります。
事前に写真などで見ていた美しく透明度の高い水の中、可愛らしい魚を見るのをとても楽しみにしていました。ですが当日は残念ながら出発前から曇天で風も強く海中も黒っぽく濁っていました。ところが「途中で天気が変わることもあるし、決行します」というスタッフ・・。ちょっと驚きながらも楽しみにしていたし、なんとかなると良いなと思いながら予定通り参加しました。
小さな船で20分程のシュノーケリングポイントに着く頃には風も吹いていて結構寒いと感じるほどになっていました。
このまま引き返すことになるのだろうと思っていたら、なんとスタッフが「さぁ潜りましょう!」と言い出しました。驚いたのですが、スタッフも参加していたメンバーも皆日本人ばかり。なんとなく日本人スタッフが大丈夫と言うなら大丈夫なのかな、メンバーも皆潜るみたいだし・・と嫌だと言い出せず潜りました。
でも全員が潜った途端、嘘みたいに雨まで降り出し、風もどんどん強くなり視界も極端に悪くなりました。
まるでスコールのような雨となり海中に顔を出しても呼吸すら危うく感じるようになり、さらに強風によりどんどん船から離れるように全員流されつつありました。
メンバーも「これはヤバイんじゃないか」みたいな空気になっているのですが、スタッフがどこにいるのかすら見えませんし声も聞こえません。メンバーの中で最年長っぽい女性が「このままじゃ流されちゃう!全員手を繋ぎましょう!」と言ってくれ、見知らぬメンバー同士が急に命がけの結束を見せて手を取り合い、波に押し流されながらも少しずつなんとか船に戻ることが出来ました。
あまりに安堵した為かその後のスタッフの対応などは記憶にないのですが、無事にコテージのある島に帰り着いて解散となりました。
今思えば参加者8人くらいにスタッフ1人って少ないんじゃないかとか、そもそもあのスタッフはスタッフの中で一番ふにゃふにゃしていて頼りなかったしもう言いたいことたくさんありすぎますが、遭難せず無事に生きて戻れてよかったねと6年経った今でも夏になると夫と思い出話をします。笑い話になって良かったです。
(千葉県 女性)