御札を持っていく幽霊
東京都内の某大学病院に入院していた時の話です。
私は、ある手術のため1週間ほど入院しており、その間はとても暇でしたが、友人たちがお見舞いに、というより遊びにきてくれて、お菓子や漫画なんかを買って来てきてくれてました。
私は、手術が怖いという話を友人たちにしていたので、友人の1人が心配して病気に効くという御札をどこかの神社で買ってきてくれました。
私はそれをベッドに立てかけて置くことにしたのです。そしてその夜の事。
深夜に何気なくトイレに行きたくなり、廊下の奥にあるトイレへ行きました。
トイレは一番奥の個室に入り、3分くらい経ってから、突然、小便器の方の水が流れる音がしました。しかし自動清掃で流れるので気にはならず。
それから数秒後、トイレの入口から足音が聞こえてきたのです。ドアが開く音も閉まる音もしません。
変だなぁ、と思っていると、その足音は近づいてきて、私の個室の前で足音が止まってしまいました。
「え?なんで?」と思っていると、はっきりと、ドアを二回叩く「コンコン」という音が…。
しかし恐怖感はなく、こんな夜中に、ふざけたことする奴がいるなと思い、思い切りドアを開けると、そこには誰もいませんでした。
そこで一気に恐怖感がピークとなり、急いで病室へ駆け込み、なんとか自分を落ち着かせようと思って、ちらっと御札の方を見ると、御札が無くなっていたのです。
ベッドの下やシーツの隙間とかも探したのですが、見当たらず、明るくなってからもう一度探そうと思い、とりあえず横になりました。
結局翌朝も探したのですが見つからず。その時に思ったのは、ここは病院だし、このお札が欲しかった幽霊が持って行ったのかな、と。
その後、無事に手術は成功しましたが、やっぱり御札が見つからないことだけが今でも引っ掛かっています。
(宮城県 男性)
開かなくなったトイレ
私が盲腸で入院中だった時の話です。
インフルエンザと同時になってしまったので、個室での入院となったのですがとても不気味な病室でした。
その病院は県内では1番古い病院で、ちょくちょく出るなんて話も聞いたことがありました。
夜中のことです。
手術後徐々に回復でき、自力で御手洗に行けるようになりました。
その日も病室内にあるトイレで用を足して出ようとドアを開けようとすると、とても重いんです。
チカラを入れれば動かせるような、しかも重さにムラがあるんです。
ドアを外から人に押さえられてるような重さなんです。
もしかして誰かが押さえてるのかと思って、1回思いっきり押してみたんです。
全く開きませんが、ピンクのスカートが見えたんです。
看護師さんだと思いました。
ノックをして「すいません、開けてください」と言いました。
何も返事は返って来ません。
もう一度「開けてください!!」と言いました。
すると、小さなコンッというノックが聞こえました。
1回、2回、3回。ゆっくりだったノックが段々、激しく強くなってきました。
しまいには、ドンドンではなくドアをこじ開けようとするような、ガタガタとした音に変わりました。
わたしは怖くて必死にドアを今度は内側に引っ張りました。
あと少しで鍵がかかりそうで、かからない。早くしなければ、殺されてしまうと何故か思いました。
ひときわ大きくドアが開いた時、そこには何本ものメスをもった看護師でした。
崩れたメイクと真っ赤な血が流れていてとても怖かったです。
手がゆっくりと割り込んで来たので、すぐ我に返り、ドアを思いっきり閉めました。
鍵もかけて、ナースコールを何度も押しました。
その間も誰も来てくれる気配はなく、1人で泣き叫びました。
「誰か!!助けてぇ!!殺されるっ」しかし、その声も全てノックとこじ開ける音に消される。
どうしようかと、怖くなって、便座の上で頭を抱えて丸くなりました。
もしかしたら夢なんじゃないかと思ったんです。
目を閉じたら看護師の顔が浮かびます。
怖くていつの間にか奇絶してしまっていました。
朝起きるとベットの上で看護師さんが、点滴を繋いでいてくれました。
朝の検診に来た時にドアには引っ掻いたような跡があり鍵が閉まっているのに気付き、私を見つけてくれました。
昔この病院では1人の患者が殺害され、1人の看護師が射殺されたそうです。
(長野県 女性)