囚人リッカルド
日本国内の話ではなく、イタリアの田舎でオペラの勉強で合宿をした時のお話です。マルケ州にある本当に小さな村にある公民館での生活とレッスンだったのですが、そこはもともと中世の頃にお城で、かつ地下室には囚人を囲っていた場所でした。
公民館は地下一階地上2階の建物で私たちは毎晩21時くらいまで1階にあるコンサートホールでレッスンをしていました。
さてレッスンも終わって皆で帰ろうとしたとき、二階の部屋からピアノの音が聞こえてきたので、誰かが練習しているのかと思っていたのですが、その時に私たちのメンバーは全員そのコンサートホールにいたので、あれ、おかしいな?誰かその村の人が勝手に入ってきてるのかな?という印象でした。
帰ろうとして私たちは建物全体の見回りをして戸締りをしなくてはならなかったので二階に上がりました。まだその時にもピアノの音が聞こえていました。注意しなければならなかったので、ピアノの音が聞こえる部屋を開けたところ.. そこには誰もいませんでした。音も止まりました。
そこにいた全員7人すべてが聞こえていて、聞き間違いではなく、その部屋には誰もいなかったのも確かめています。血の気が引き泣き出す子もいました。
のちに地元の人に聞くとやはりそのピアノの音は有名でもともと囚人のリッカルドと名付けられているようでした。
(女性)
2階建てバス
シンガポールに在住していた知人からの話です。ご存知の通り、シンガポールは第二次世界大戦時、甚大な被害があった場所です。国土が狭いだけに、遺体を埋める土地も少ないため、心霊現象の話はかなりあるとか。イギリス植民地時代の名残が残るシンガポールでは、2階建てバスがあります。現在では観光用もありますが、当時は実務用というか国民の足として活躍する市バスにも2階建てバスがあったようです。
友人はバスの2階に乗るのが好きで、その時も景色を2階から優雅に景色を楽しんでいました。バスが停留所に止まり、1階に座る人、2階に上がるための階段を登る人と分かれます。数人が2階に上がってきたのを確認したのですが、最後に上がってきた人が問題でした。
顔色が悪く、目がおかしかったので、どうか隣の座らないようにと願いましたが、2階の座席の状況は空いています。隣に座る確率はおそらく限りなく低いだろうと窓に目をやってからバスが動きました。ふと、あの人はどこに座っただろうかと窓から目を離すと、隣に気配がし、横にその問題の人がいたようです。
座ったのなら、かすかな風や、座られたという感覚を受けますが、それが全く皆無だったようで、その時に知人は確信したようです。この横に座っているのは、人間ではない、と。知人は霊感があるので、こういう時に相手の存在に気づいた気配を出してしまうことが一番の厄介になることを熟知していました。
自分が降りる停留所まではあと5駅はあります。その間に相手が消えるか、他の席へ移動していくかを願うことにしました。しかし、隣の相手は全く動くことをせず、とうとう知人の降りる駅が近づいてきました。
なんの風もない顔をしながら、知人は相手のひざをまたぎ、そして階下へ。停留所に着き、バス停を降りて、自分が座っていた窓を見上げると、霊が窓に顔を押しつけながら、知人をにやにやしながら見ていたとか。ぞっとした知人はそこで気づいたのでした。そうか、膝をまたいではいけなかったのだ、と。
(京都府 女性)
ホームステイ先に現れる女の子
私は学生時代に初めて海外へホームステイしました。合計6ヶ月間ホームステイしていたのですが、ホームステイを始めて3ヶ月目のことです。
家から外に出ようとしてドアを開けると目の前に男性がいました。ホームステイ先のお父さんかと思うと全身真っ黒で一瞬にして消えてしまいました。初めての心霊体験で怖くなった私はすぐにホームステイ先の家族にその話をしました。
すると5年前に亡くなったホームステイ先のお父さんの霊だろうと家族は話していました。家族の中では霊感に強い娘さんがいてその娘さんも時々その霊を見ると言っていました。
何故霊が現れるのか聞くと、お墓参りに長期間行かないと出てくると言っていました。またホームステイも終わりかけの日に私はベットに横になっていると人の気配を感じました。部屋の入り口に女の子が見え、また一瞬で消えてしまいました。また以前と同じように家族に話すと家に新しく人が来て帰ろうとする時に現れると話してくれました。
私と同様にホームステイに来た人も同じ体験をしたと聞きこれまで幽霊の存在を信じていなかった私ですが信じぜるを得なくなりました。日本へ帰ると一切このような体験はないので実に不思議です。
(広島県 男性)
エレベータに乗り込んできた英国紳士
何年も前になりますが、イギリスに団体旅行した時の体験です。私達が宿泊したのはロンドンにあるホテルでした。そのホテルは日本の近代的なホテルとは雰囲気が大きく異なり、宮殿の様な豪華さがある高級ホテルでした。
私達の一行は数百人規模であり、パーティーを兼ねていました。私達に用意された部屋は6階で、エレベーターで1階に降りてパーティー会場に向かいました。パーティー会場のスタッフはイギリスの貴族の出立で私達を歓迎してくれ、体験したことのない盛大なパーティーとなりました。
不思議なことが起きたのはパーティーからかえる時でした。パーティー会場からエレベーターまで歩き、エレベーターが降りてくるのを待ちました。一階でエレベーターを待っているのは私達のグループ10人程度で知らない人は誰もいませんでした。やがてエレベーターが降りてきて私達は乗り込みました。
6階のボタンを押すとエレベーターは登り始めました。すると3階でエレベーターは止まりドアが開くと一人の男性外国人が乗り込み、エレベーターの一番奥へと進んでいきました。その男性は背が高く、気品のある西洋人と言う表現がピッタリの紳士であったことを私達全員はしっかり確認していました。
その後、1度も途中で止まることなく8階に着き、全員そこでエレベーターを降りたのですが、そこに紳士の姿はありませんでした。3階で乗ってきたのを全員が見ています。途中一度も止まらずに8階に着きました。
紳士の姿がないこてに気付き、しばらく停止していたエレベーターの中を探しましたが姿はありませんでした。この話には何のオチもありませんが、確かに全員が一緒に体験した実話した実話です。
(群馬県 男性)