憑依系の怖い話

☆【怖い話・実話】 朽ち果てた墓場に行き憑依されてしまった体験談

十年ほど前の20代後半の頃、親族の法事のために訪れた、実家のある田舎(高知県)のお寺での出来事です。

住宅街を見下ろすように建っているそのお寺は、子供の頃にも2回ほど行った記憶があり、住宅街からの大きな長い階段で弟やイトコたちと時間を潰していたことを覚えています。

階段を登りきった所には大きな鐘があり、子供の頃を懐かしみながら一人探索をしていたのですが、鐘の横まで来たとき、その奥に獣道があるのに気づきました。山へと分け入る道で、どうしてもその奥に行ってみたくなり…時間潰しに入ってみると、万年朽ち葉の足元に、クモの巣が張った上り坂。左右に開けた場所があり、お墓があり、その向こうに町が見えました。

田舎の古いお墓なので、小さな四角い墓石が10コほど置かれてあり、倒れたものや割れたものも混じっていました静かな田舎町、町を見下ろせる場所で、風が心地良くて…。お墓が割れてるなんて誰も来ないんだな、可哀想、寂しいだろうな私が死んだらココで一緒にいてあげるのに…と思っていたら、親族が私を呼びにきたので法事に参加しました。

その日の深夜、私は暴れたそうです。

「この娘を連れて行く」「寂しい」「誰も来ない、この娘は気づいてくれた」と、男の声で叫んだそうで…もちろん私には記憶がありませんが…。

翌朝目が覚めると、髪の毛やズボンのポケットが塩まみれ。そのまま父の知り合いだという霊能者の所に連れて行かれ、お墓の話をして、肩に手を置かれ何やら呪文?のようなものを言われ「明日、ちゃんと離れているかもう一度見せにきて」と言われて除霊終了。

滞在が1日伸びてしまい、取り憑かれたなんて自覚のない私が納得のいかないまま顔を上げると、約1メートル先の窓の向こうに人の姿が一瞬だけ…。2Fだったんですが、真っ青な作業着のパンチパーマの男性で、左上半身のみを覗かせ、一瞬で消えました。しっかり見えたんです。

面長だったと思いますが、顔までは見えず表情は分かりませんでした。のっぺらぼうみたいな…。

霊能者曰く「東の窓から出て行くから、冬でも窓を全開にしてお払いをする。その向こう側にいたということは出て行ったということ。青い服はいい兆し」と…。

父は「憑かれたであろう後に法事でお経を聞いてるのに、何故憑かれたままなのか。今時の坊主(父の同級生)は力がない」と怒ってましたが、お払いのお経でなかったので仕方ないと思いながら苦笑するしかありませんでした。

(千葉県 女性)

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