今から20年ほど前、専門学校生だったころ夏休みで北海道の地元に帰省していた時の事です。
その日は高校の部活の同級生6人で遊んでおり、友達の家でゲームをしたり話をしたり楽しく過ごしておりました。
遊びに夢中になり、すっかり夜も更けてしまい、みんなお腹が減ってきたので6人でファミレスに行くことにしました。
食後、先日見たテレビの心霊現象の話で盛り上がり、と言うのもその内容は地元であったため友達みんなが見ており各々が知ってるそこの場所の噂話で盛り上がっておりました。
そこは囚人が作った道路で鎖塚と言われている地元ではかなり有名な心霊スポットであるのですが、国道の峠でもあるので交通量はかなり多い道路でもあります。
テレビでの内容は、峠の頂上を過ぎた時に急にエンジンが停止して、おかしいなと思っていたら勝手に車が坂なのに上り始め、見ると無数の手が車の窓ガラスにあったというオーソドックスなものでした。しかしまだまだ、怖いもの知らずの若者だったため、車2台に分かれてその場所へ向かうことにしたのです。
その峠の頂上までは地元といっても1時間半以上は走ります。
車中は怖い話や、雑談などで盛り上がりながら走って行きました。
車中は当時カセットテープだったため、ずっと同じテープが繰り返しかかっており、60分テープでした。それはアルバムをダビングしたものでイエローモンキーの曲だったと思います。そのまま2台の車は峠の頂上に到着し、車から降りてもう一台の友達となんもないねーなどと話をして、日付も0時が過ぎていたため帰ることにしたのです。
帰りは疲れも眠気もあり、あまり会話は弾まず静かな車中でずっと音楽がかかっていました。
峠も中腹を過ぎたころ突然、音楽が雑音と共に切れました。
3人はあれ?と切れたか絡まったかと思い取り出しを押そうとしたら、「〇〇〇ー」と自分の名前を呼ぶ声が聞こえました。
3人は完全に黙り込み、そのあとは普通に音楽が流れ始めました。
今の何?と一人が口を開き、一度車を止めテープを巻き戻してみました。そして再度再生をすると全く同じく自分の名前を呼ぶ声が入っています。はっきりと呼ぶ男の声でした。
その時もう一台が追いつき、説明をして6人でもう一度聞くも同じ状態です。
もちろん車のステレオなので録音機能はなく、完全に怖くなりカセットは取り出しその場で思いっきり外に投げて帰ってきました。
特に自分の身に悪いことは何もないが、遊び半分で霊魂のいる場所へ行くものではないと思った日でした。
(北海道 男性)