ホテルの部屋に掛けられている絵画の恐怖
その日は、ホテルに宿泊する日で、私と友達の二人で一部屋というなんとも贅沢な日でした。
修学旅行一日目、さすがに一日京都の町を歩き回って疲れてしまい、ご飯の後は、すぐに部屋についている風呂で汗を流しました。私の後に友達も入りました。
なかなか上がってこないなあと思っていると、ふと部屋を見たときに壁に絵がかかっていました。かわいい女の子が描かれていました。漫画なんかではこういう絵の後ろに、何かメッセージがあったりするよなあ、と中二病な私は、そうっと絵の後ろを見てみました。すると絵がかかっていた壁には、赤黒いシミのようなものがありました。
え、なにこれ、まさか血とか言う?と内心焦りつつ、じっとそのシミをみていたのですが、心なしか、だんだんシミが黒くなっていくような気がしました。
怖くなって絵をもとに戻しました。
友達はまだ風呂から出ません。
怖いからテレビをつけようとしましたが、リモコンが見つかりません。
ベッドに座って、ただ時間が過ぎるのを待つしかありませんでした。友達はまだ風呂から上がりません。
すると「ふふふっ」となんだか甲高い笑い声が聞こえた気がしました。いよいよ怖くなって布団をかぶってじっとしていました。布団の隙間からはオレンジ色の光が差し込んでいます。と思ったら電気が消えました。まだ友達のシャワーの音が聞こえているに。
目を開けていられなくてそのまま目を閉じました。すると背中をばん!と叩かれ、「寝るのは早い!」と友達の元気な声がしました。あれは夢だったのか?確かめたい気持ちもありましたが、絵の裏側は、怖くて見られませんでした。
(福岡県 女性)
角部屋の怪
(沖縄県 女性)
ラジオのノイズ 怪奇現象
中学校の修学旅行で、静岡県の伊豆にある漁村に行きました。昼過ぎに到着し、入村式を終えたら数班ごとに民宿に分かれてオーナーさんと挨拶しました。
その日は魚のさばき方などを見学するといった簡単な体験だけで、翌早朝に実際に漁船に乗って前日に仕掛けておいた網を揚げる行体験をするのがメインの行事でしたので、1日目は20時就寝と早めのスケジュールが組まれていました。しかしそこはやはり中学生ですので、それですんなり寝るわけもなく、夜中まで起きて、トランプや好きな女の子の話で盛り上がったりと、定番ながら修学旅行らしい夜を過ごしていました。
途中で友人が、禁止されていたのですがこっそり持ってきた携帯ラジオで、深夜放送をみんなで聴こうということになり、チューニングを始めました。手動で調節するタイプだったのでなかなかドンピシャで合わず、雑音交じりになりながら聴いていたのですが、突然、「ジー、ザザー」というひどいノイズ音だけが流れる状態になってしまいました。
誰もラジオに触れていなかったので不思議に思いながらも、再度周波数を合わせようとダイヤルを回しても一向に放送が流れません。「おかしいよね、そんなに大きくズレるわけないのに」などと言いながら、みんなちょっと気味が悪くなってきました。
その時、友人の一人が「あ、なんか聞こえた」と言いました。相変わらずノイズしか流れていなかったので、怖がらせようとしてるんだと感じ、誰も相手にしていませんでしたが、別の友人も「俺も聞こえた。女の人の声だ。」などと言い出し、一気にみんなの表情が硬くなりました。
そうしてついに自分にも聞こえたのです。ノイズに交じって、かすかな声でしたが、確かに女の人の声でした。
それは「たすけて」と繰り返し言っているようでした…。
その頃には全員が聴こえていたようで、もう誰も何も言わなくなっていました。そのまま少し(もしかしたら数分)経った後ようやく、ラジオの持ち主が電源を切り、「ね、寝ようぜ…」と言いみんな布団に潜り込みました。なかなか寝付けず、翌朝の料の集合時間に班全員が遅刻してしまい盛大に怒られてしまいました。
あの声が何だったのか、分からずじまいですが、海の近くなので、なんらかの原因で溺れて死んでしまった人も多くその苦しみの中での声なのでは…と友人が推測したのが、自分たちなりの結論です。
(愛知県 男性)