運転中に2人とも記憶が飛んでいる不思議な現象
今から20年程前の事になります。私は当時、地元の高知県を離れ、都会で専門学校へ通う学生でしたが、地元にお付き合いしていた人がおり、暇を見つけては時折、帰省しておりました。これは、何度か帰省していたうちの夏の夜に体験した、不思議な体験です。
友達も含め夜に集まって楽しく大騒ぎ、すっかり夜も更け、そろそろ私と彼氏はおいとましようという事になり、車に乗り込みました。
友達の家での集まりだったのですが、その家は田んぼ道の奥、山の麓にあるような所で、辺りはもちろん真っ暗、静かで虫の声がよく響いていました。時間は夜中の12時になろうと言う所でした。真っ暗な田んぼ道をそろそろと抜け、普通に会話もしていました。そして田んぼ道から国道に突き当たり、車も来ていなかったのを2人で確認し、道に出ました。すると、次の瞬間、とてつもない衝撃でハッとして、私は突然吐き気を催して、車外へ飛び出し道端へ吐き戻してしまいました。
何が起こったのか、何が何だかわからないまま、困惑して、2人でパニックになっていました。しばらく真っ暗な周りを確認してみましたが、そこが何処かも見当がつきません。車は、神社の鳥居の柱に衝突し、停まっていました。
車も動きませんので、夜中でしたが、友達と彼の親に連絡して助けてもらいました。後からわかり、不思議だった事ですが、2人して国道に出た瞬間からぶつかるまで記憶がなかった。さらに私達がぶつかった神社のあった道は、国道から車一台通れるくらいの細い道を入った場所にあった。そこまで、普通に行けば15分程度で着くのに、ぶつかるまで2時間以上が経過していたという事です。もちろん、彼氏はお酒は呑んではいなかったし、私も酔うほどは呑んでいませんでした。居眠り運転なら、何時間も走り続けられますか?すぐ何処かにぶつかっているはずです。
さらに、後にわかった話ですが、友達の家の近くでは、数日前に事故があり男性2人が亡くなっていたそうです。そして、私達がぶつかった場所から更に山へ登っていくと先は崖になっていて、車ごと落ちてしまう危険の場所でした。
おばあちゃんは、神様が助けてくれたと言いますが、本当にそうかもしれません。霊体験なのか、未だにわからない体験ですが、あの時2時間以上も私達2人は、一体どんな顔をして何をしていたのか、考えるとゾッとします。
(高知県 女性)
慣れた道で迷い続ける怪奇な現象
15年くらい前の体験です。
当時、営業の仕事をしていたのですが、今までに何度も行った飯田橋の会社に打ち合わせに向かいましたが、途中から道が全くわからなくなりました。
駅から出て少しの間は、見慣れた風景の中を歩いていたのです。不思議なことにアポの時間があるのに、全く焦る気持ちにもならず、こういうのって、狐につままれるって感じなのかなぁとか、異次元に行っちゃうのかしら。なんて思い歩き続けていました。
文京区の平日の昼下がりの裏道は、普段も静かではありますが、人ともすれ違わず。見たこともない高級住宅地に迷い込みました。
ちょっと古めのでも、それぞれに趣のあるお屋敷が並んでいましたけど、あまりにも人の気配がないので、急に焦りました。
いままで何も考えずにお散歩みたいな気分だったのですが、時間も気になって、きっと会社に電話がきてるなとか。ちょっと早足になり大きな道に出なきゃと、出てきた道は東京大学の外周の道でした。
私が行こうとしていたところからだと徒歩で30分位はかかるかなという感じでしょうか。参りましたこれで、なんだか不思議な場所から抜け出せたという安堵感はありましたが、まだでした。
ガードレールの内側を歩いていたのですが、後ろからガシャンガシャンと自転車が近づく音がして、狭くよける場所もないのですが、反射的に塀にへばりつきました。が、自転車どころか見渡す限り誰もいませんでいた。
今通ってきた道は、ガードレールの反対側はほぼ、ブロック塀かいきなり玄関の引き戸って感じの道で、自転車が入っていける道はなかったのです。
こういう体験皆無の私は、怖いというよりとにかく不思議で。なんだなんだって考えながら、歩いているといきなり、打合せする会社の角についていました。
慌ててアポを取っていた方に「本当にすいません!こんな時間になり連絡もせず」と平謝りすると、時間はアポの時間より10分ほど過ぎた時間でした。怖いのか心霊体験なのかよくわからない内容ですが、自分にとっては本当に不思議な体験でした。
(女性)
不気味な荷物
大学時代の趣味はサイクリングだった。大学が休みの日、俺の過ごし方は大体京都観光。京都で一人暮らしを始めて間もない俺にとって、見慣れない町並みは走っているだけで楽しかった。
ほどなくして、湖に到着。目的地だったわけではない。俺のサイクリングの行き先は大抵行き当たりばったりだ。スマホで調べてみると、どうも湖ではなく池らしい。向こう岸に古民家らしき建物も見えて、風情ある感じだった。道の脇に自転車を停めて、池の周りをうろついてみる。当然だが人気はなかった。季節は初夏で、盆地の夏はとにかく暑い。こんなところ好んで歩く奴なんてそういまい。ここから先は草の高さが膝より上に達するなという辺りで、散策を止めた。
大きく伸びをする。開放感からバックパックを木陰に置こうとして、流石に止めた。リラックスし過ぎだと思ったからだ。
そして、何となく俺は振り返った。目の鼻の先に、陽炎があった。メカニズムはわからない。ただ、二三歩進めば触れる距離にある空気がゆらゆらしていた。触ってみると冷たくも熱くもなかった。正直拍子抜けだった。そう思って、目線を逸らした先で。俺は、ありえないものを見つけて固まった。
木陰にバックパックが転がっていたのだ。それも俺の持っているそれと全く同じデザインのものが。慌てて背中に手を伸ばして、バックパックを背負っていることを確認した。確かに世界に一個しかないカバンじゃない。でも、偶然にしては出来過ぎている。木陰にあるバックパックは、外見からわかる凹凸まで俺のと同じだった。何だか──すごく嫌な感じがした。振り向いて、陽炎に触った。俺の触り方が不味かったのか、そいつはかき消えてしまった。
改めて木陰に目をやると、そこにバックパックはなかった。
今になって考えると、実に微妙な異世界体験だと思う。どこらへんが異世界体験だったんだと思う人もいるだろう。それには俺なりの理由がある。あのとき、俺は一瞬迷ったのだ。伸びをしたあと、バックパックを木陰に置くかどうか。そして、あの陽炎に触れた直後、木陰に俺のとそっくりなバックパックが出現した。つまり、あそこは「木陰にバックパックを置くという選択肢をとった方の世界」だったのではないか。そう考えると、戻れて良かったと思う反面、気がかりな要素もある。あのとき、木陰にバックパックを置くという選択肢をとった“俺”は一体どこにいたのだろう。
(岡山県 男性)
くしゃくしゃの紙 消えた工事現場の不思議
私の友達Aさんから聞きました。
去年の秋たまたま仕事が忙しかったので夜の1時ぐらいに犬の散歩をしていたようです。
家から出て一キロ先に神社があるためそこを目標にして散歩をしていたら道中クシャクシャな紙が落ちていました。普通なら素通りするはずが何故か好奇心で中を見ると別に何も書かれていません。ちょっと裏切られた様な気がして心底残念な気持ちで散歩したと言っておりました。
神社に着いたらまたクシャクシャな紙が落ちており、中を確認するとそこには無表情な男か女か分からない顔の写真が貼ってあったようです。
その写真を見た時に寒気を感じたのですぐに帰ろうと思い、神社を早歩きで出ると、またクシャクシャの紙が……。その紙は赤黒い色をしており、不気味なので見なかったようです。そのまま帰宅しようと歩いていると何故か工事現場に居たようです。
そこの工事現場には人?と犬の亡骸がありよく分からない呪文みたいなものが聞こえて怖くなり、出ると、道中に真っ赤な目の写真が落ちていましたが、拾おうとはせず逃げて家に帰ったと言ったおりました。
翌日の朝に通ってきた道を確認してみると紙も落ちてないし、犬の死体もない、さらには工事現場さえなかったようです。
1番驚いたのが一年後に例の所で工事が行われるという事を知った瞬間引っ越そうと考えたと言っておりました。
(愛知県 男性)