50代の会社員(男性)です。今から25年ほど前、大阪市内の格安ワンルームマンションで一人暮らしをしていた時の体験談です。
その物件は、築5年程度の比較的新しい建物で、その部屋だけなぜか長い間、空室になっているとの事でしたが、深く考えずに契約をしました。
当時の私は20代で、とても多忙な日々を過ごしていて、その日は、虫歯を悪化させてしまい、歯医者にも行けない状況の中、異常なほど頰は腫れ、39度近い高熱を出して寝込んでしまっていました。
午前2時ごろ、鎮痛剤も解熱剤も効かず、激痛に耐えながら布団で横になっているしか無い状態で、病院に行くため、朝が訪れるのを待ちました。肉体的にも精神的にも弱り、「このまま死んだらどうしよう」などと考えていると突然、強烈な寒気を感じ、全身に鳥肌が立って、腫らした頰に優しく両手が添えられたような感触を覚えました。
その手は、少し冷たくて心地良く、不思議と「安心感」も感じられ、直感的に私は「これは…守護霊が来てくれたのか?」と思い、手を合わせながら心の中で必死に祈りました。
これは、御先祖様か、前年に亡くなった、私をとても可愛がってくれた祖母なのか…。
様々な思いを苦しみの中で巡らせていると、再び強烈な鳥肌が立った後、耳元で老女のような声が聞こえました。
「死ねや。」
私は恐怖で、大きな叫び声を上げてしまいました。
あれは誰の声だったのか…。今も時折、思い出す事があります。
(京都府 男性)