この話は、今から20年前のお話です。当時、私の住んでいた自宅で起こった出来事なのですが、この自宅は平家でした。
そこの家は全体的に日当たりが悪いわけではないのに薄暗い印象があり、そしてジメジメした感じで少し陰気な雰囲気が漂う家でした。
母も私も少し霊感がある方で、母はしょっちゅう怖い体験をしていました。
私が20代前半だった頃のある夏の熱帯夜の夜、当時私の部屋はクーラーがなかったので父と母の寝室の前の小さな狭い廊下で寝ることにしました。
平家だったので両親の寝室も狭く、廊下側に薄い障子があるだけの部屋でした。
当時は夏には必ず蚊帳を両親の寝室に張っていました。状況は、蚊帳の中に両親が寝ており部屋の廊下側の障子は開けっ放し。その廊下で私は寝ていました。
障子側にはベビーダンスがありその上にガラス箱に入っている女の子のフランス人形が飾られていました。
廊下で寝ていた私はなかなか寝付けずにいました。
しばらく何も考えずに目だけ閉じてる状態でいると、突然母が「ううっ、ううっ」と両手を上にあげながらうめき声をあげだしました!
それを見た自分はびっくりして母を起こそうとしたのですが次の瞬間「ガタガタガタガタ」とベビータンスが音をたてているのでびっくりしてタンスを見ると揺れてもいないのに「ガタガタガタ」と音をたてていました。
最初は当時飼っていた犬が蚊帳にもたれながら足で耳をかいている振動で「ガタガタ」なっているんだと思ったのですが、犬は父の脇で寝ていました。
自分は怖くなりとりあえず母を起こしにいきました。
「ガタガタガタ」と音はだんだん激しくなりそれとともに母のうめき声も大きくなってきたので急いで母を起こしました。
母が目覚めると「ガタガタ」音は止み、母も落ち着いたのかまた眠りに入りました。私も寝ようとしましたが気持ちが悪くて熟睡することなく朝を迎えました。
朝起きて母に「昨日、うなされていたよ」と言うと母は「そうなのよ!怖かったわー!」と目を丸くして話しだしました!
それは、母が寝ていると足元から女の人が這い上がってきて胸の位置までその人が来ると母の首を絞めだしたそうです。
なんでもこの女の人は母曰く、頻繁に母の元に夜な夜な出でくるんで困っていると言っていました。
今でもあのタンスが揺れてもいないのに「ガタガタガタガタ」・・・と言う音を思い出します。
(埼玉県 男性)