常連のお客さんからの電話の怪
私は18歳のときに大阪のとある小さなスナックに勤めていました。週二回程度の出勤でしたが、可愛がっていただきました。ある日、会社の社長と名乗る30代の方が三人来られました。すらっと背が高くスーツを着こなすかっこいいお客様でした。
聞けばお店のママの同級生だそうです。
背も高く出身地の関係で訛りがあった私はすぐに気に入ってもらい、来店からおかえりになるまで指名され席についていました。中でも一番背の高い方から異常なほど気に入っていただき、連絡先もいただきました。
毎日連絡していましたが、ある日夜中遅くに一本の電話がかかってきました。
でると「今から会いたい」とのことでした。
私は本業があったので「今日はちょっと無理かな。。」と伝えると「どうしても会いたい」とのことです。
ですが「明日仕事があるからごめんなさい。明後日出勤するのでその時でもいいですか」と言いましたが「今日じゃなきゃだめなんだ」と何度か言われましたがどうしても無理なことを告げると電話が切れました。
どうしたのか気になりかけなおしましたがまったく出ません。
気になりつつも一週間が過ぎお店に出勤するとお店のママさんから「この前気に入ってくれてた人、亡くなったって」とのことでした。
いきなりのことで頭が追いつかず話を聞いてみると私に電話がかかってきた二日前に亡くなってたそうです。
ママの話では私の声が聞きたかったのではないかとのことでした。私が体験したお話でした。
(東京都 女性)
父の同級生からの電話
父から聞いた話になります。
父は定職につかず、気ままに短期の仕事をしながら暮らすのが好きでした。かと言って家族に乱暴することはなく、どちらかといえば寅さんの様なタイプの人でした。
そんな父でしたから、仕事の知り合いはあまりいませんでしたが、プライベートの友達はけっこういたんです。
ある日、父が友達を集めて麻雀をするんだと言って近所に住む友達何人かに電話を始めました。言い忘れましたが今から30年くらい前の話です。当時は携帯電話もなく、連絡手段といえば専ら自宅に一台の固定電話でした。
ひとまず僕の同級生の親父、2人と連絡が取れ、準備が出来次第うちに集合ということになりました。
もう1人は近所で弁当屋を営む父の同級生のS。
はじめ電話した時は出ず、きっとお店の片付けをしているんだろうと言うことで、しばらくしてから電話することにしました。
5分くらいして、そろそろ電話してみようかと父が電話の方に向かった時、ちょうど電話が鳴りました。
相手はSで、なぜか麻雀の誘いがあると知っていて、これからこっちに向かうとの連絡でした。
ほどなくして先に声をかけた2人が到着し、Sが来るまでとりあえず飲もうかと言うことになりました。でも、待っても待ってもSは来ず。
不思議に思いながらも父達は酔いが回って寝てしまいました。
翌日、気になった父がSのお店に行きましたがお店は閉まっており、父は裏手の自宅を訪ねて驚きました。
Sは部屋の中で亡くなっており、それもけっこうな時間が経って異臭が漂っていたと言うことです。
あの時、電話してきたのは確かにSだったと父は言うのですが、本当は誰だったのでしょうか。
(東京都 男性)