栃木県で友人と同居生活をしていたときの話です。自室で寝ていたら、急に息苦しくなり、寝返りをうとうとしましたが、身体が動きませんでした。
変な汗が出るし、何が起きているのか分からず、友人を呼ぼうと口を開きましたが声が出ません。そこで、金縛りだと気づきました。
気づいたとたんに急に怖くなり、目をギュッと瞑り、早く解かれることを祈り続けました。すると壁側を向き、部屋のドアに背を向けて寝ていたし、目も固く瞑っていたので、姿は見えないはずなのに、背後を白装束のような恰好をした老若男女がたくさんの行列で通過している気配がありました。
怖くなり、思わず目を開けると、両手を太ももで挟んで丸くなっていた私の両手の間に、真っ黒い物体があることに気づきました。
見てはいけないと、再度目を固く瞑りましたが、なぜか目が開いてしまい、また黒い物体を見てしました。
1度目は分からなかったのですが、骸骨のように目玉がなく空洞になっている生物だったものだと認識しました。そして、確実に目玉はないのに、なぜかものすごく悍ましい目でこちらを睨んでいるのが分かりました。
今度は目を瞑りたくても目線を逸らしたくても動かすことができませんでした。
そうこうしていると、私の部屋のドアが開き、廊下の電気の明かりが入ってきました。そこには同居の友人が立っており、私の名前を呼びました。
「助けて」と叫びましたが、また声が出ず、友人は自室に戻ってしまいました。
怖くて泣きそうになりながら、また早く解けるように祈り続けていたら、パッと開放されました。
一気に血が巡りだしたような全身に軽いしびれを感じましたが、すぐに飛び起き、友人の部屋に駆け込み、「さっき部屋きたよね?何の用だった?」と聞くと、寝ていたところを起こされて不機嫌だ、といった感じで「は?行ってないけど」と…友人はとても特徴的な声をしているので、聞き間違えるはずがありません。
状況を説明すると、「本当に行ってないし、怖いからやめて」と言われてしまいました。
本当に白装束の行列は通過したのか、あの黒い物体は何だったのか、名前を呼ばれて叫んだとき、もし声が出ていたらどうなっていたのか…今でもこの体験を思い出し、恐ろしくなります。
(女性)