ゆっくりと近づいてくる傾いた人影
これは私が夜勤で体験した話です。私は精神科病棟に勤めています。精神科は少なくとも1時間に1回以上の巡視が必要となっていまして、深夜3時に仮眠から起きて先輩と交代して大部屋のナースコールがなったため私が巡視がてら対応しに行っていました。
個室側の廊下を通り越して大部屋の巡視へ行こうと思って詰所を出ると個室側の廊下の突き当たりに誰か立っているのが視野に入りました。
患者さんかな?って思ってそちらを見るとシルバーカーか何かを押しながら少し体が横に傾いた人影がこちらに向かってゆっくり歩いてきている姿が見えました。
離れていて暗かったこともあり誰か分からず、急いでいた為部屋がわからなくなった患者さんだったら後で一緒に戻ろうと思って通り過ぎて戻ってきたらもういなくなっていました。
でもその時考えてみたらシルバーカーのようなものを押している患者さんは今入院していないことに気づき、ゾッとしたのですぐ詰所に戻り先輩が起きてくるのを待ちその話をしました。
すると「シルバーカー?えっその人右に体ちょっと傾いてなかった?その人、前に個室の◯◯◯号室に入院してた◯◯さんだよ。結構前に亡くなったけど。」と言われ、鳥肌が止まりませんでした。
ちょうど突き当たりの部屋がその方が亡くなった個室だったことにもゾッとして、あのままあのお婆ちゃんがこちらまで歩いてきてたらと思うと背筋がひやっとしました。
それからの夜勤ではお会いしてませんが、個室側を巡視に行く時だけ背筋がゾクゾクと怖くなります。
(女性)
視界の端に見える車椅子に乗った女性の霊
働いていた時の体験です。
夜勤で一人で回れるようになったときに、患者さんの部屋を回っていたらうっすらと車椅子に乗った高齢女性の方をを見ました。
全身が薄く青緑でうなだれていました。
病衣服は勤務してる病院と同じなのでここの患者さんだと思います。
目線をその場所に移すと誰もいませんでした。
私はメガネをかけているのでさすがに見間違いはないと思います。
車椅子の車輪まではっきりと見えましたし、まず高齢の方となれば看護師が必ず見守っている必要があります。
見え方は、具体的に言うならば視界の端に人が立っている(ピントが合わない感じ)のを想像して頂けたらイメージが付きやすいと思います。
そんな感じに見えました。
特に怖いという風には見えず、あれ?誰かいた?という感覚です。
それ以来、同じ女性は見る事はありませんでした。
昼間にもそういったような視界の端に「誰かが通った」とは見える事がありました。
ただその時は怖いという印象はないのです。
働く前は夜勤をする中で心霊体験は多くしていくのかもとは思っていたのですが、私が勤務していた中で心霊体験のような経験をしたのはあの車椅子に乗った高齢女性を見たきり1度しかありませんでした。
(神奈川県 女性)
病院で怪談話をした結果
私は看護師をしているんですが、これといった霊感もありません。体験したのはちょうどお盆時期でした。
その日は夜勤で、仕事の休憩中に怖い話をして盛り上がっていたのですが、他の子たちは怖いから止めてなど言っていました。私は笑いながら聞いていましたが、夜中の見回りに行く時間になってしまい、1人で病室へ向かいました。
巡回は懐中電灯を持って見回りに行きます。しかしさっきまで全然怖くなかったのに、いざ真っ暗な廊下を歩いた途端に、怖い話を思い出してしまい、いつもより足取りが重くなってしまいました。そして思い出した話を、頭の中で必死にあんなの作り話だと思った瞬間、耳元から「フッ」と息を吹きかけら、振り向くと誰もいません。
明らかに息を吹きかけられたので、急いで戻り、みんなに話をしました。同僚たちも恐怖におののいており、結局は病棟も高齢患者が多いからそういう事もあるよね。という話で無理やりまとめてしまいました。
やはり、亡くなった人の存在を馬鹿にすると「ここにいる」と主張してくるのかもしれません。それ以来は病院で怖い話をするのは止めました。
(愛知県 女性)
重症患者しかいない2階で徘徊する恐怖の人影
看護師として勤めていた病院では50人ほどの患者がいて2階、3階にそれぞれ病室がありました。そこは吹き抜けになっていて3階から2階を覗けるようになっています。風の強い夜でした。空気孔が時々バタンバタンッと音を立てています。私は3階担当だったので時間で2階ナースステーションから3階へラウンドするために階段で上がりました。
2階は重傷患者のためにその時自分で動ける人はいません。2階ナースステーションはスタッフ2名でその方は記録をするためにデスクに座っていました。
ラウンドを終えてふと下を覗くとステーションから遠い病室の間を背丈の小さい影が通り過ぎました。私は2階のナースが仕事を始めたので急いで手伝わなきゃと急いで降りると、ナースステーションで二人はまだ記録をしていました。
二人に「今って座ってました?」と聞くと不思議そうに「いたよ」と。
奥で人影を見たと話すと「今徘徊する人もそんなに背丈の低い人もいないし…」後日他の先輩ナースにそのことを話すと「それは座敷わらしね」と数名のナースがやはり奥の部屋の方でみたことがあるようでした。
その後悪いことが続いた病室だったので座敷わらしが守ってくれていたのかそうでないのかは不明ですが…私は勤務中に数回同じように見かけていました。
(埼玉県 女性)
巡回中に妙な違和感を感じた部屋に入ってみた 心霊体験
私は広島県の某病院で勤務している看護師です。病院は命を扱う場所ですので、今まで霊感が全くなかった私にも不思議な体験はいくつか起こりました。またそのような体験の中で一回だけ恐怖を感じたことがあります。私が勤務している病棟の夜勤は看護師一名、看護助手二名です。
その日もいつものように急変もなく、穏やかな夜勤でした。そして深夜2時頃、夜間巡回をしていた時の事です。
もうその時間は病棟の廊下の照明は消され、ナースステーションと非常出口の明かり以外は点いておらず、慣れない方だと非常に不気味な雰囲気がします。しかし私はなんも恐怖を感じることなく一つ一つの病室へ巡回しました。そしてある一つの部屋のドアを開けた瞬間、今まで感じたことがない違和感を感じたのです。
原因はわかりませんが、なにかがおかしいのです。また何故だかわかりませんが、全く部屋の中に入ることが出来ずにドアを開けたまま突っ立ってしまいました。もちろん中には患者さんもおり、寝ております。
そして持っていたライトの光の端に何かが動きました。驚いた私はそこに目をやると、手前の患者さんのベッドの下に人の影のようなものが見えました。驚きすぎると人は声が出ないもので、気付けば踏む出した足を引っ込めて思い切り部屋のドアを閉めてしまいました。
初めて感じた恐怖で呆然とドアの前で立っていると、ドアを閉める音が大きかったせいで、看護助手さんが駆け付けてきました。どうしたか聞かれ泣きそうになりながら説明すると、確認するため一緒に部屋へ入りました。
恐る恐る部屋を開けると、ベッドの下の影は消えていません。二人でホッとしながら、寝ている患者さんの様子を確認しようと目をやると、奥からヌルっとした感じで手が出てきて患者さんの布団をがっしりと掴みました。
あまりの恐怖で二人とも部屋を飛び出して、看護助手さんを部屋の前で待機させ、私は急いで廊下の電気を点けに向かいました。そして再び部屋を開けて入ると、患者さん以外誰もいなかったのです。
翌朝、みんなにそのことを話しましたが、あまり話を信じてもらえませんでした。しかし二人で同時に見てますし、その部屋には寝たきりの高齢患者さん1名と空いたベッドのみしかありません。私たちはあの時何を見ていたかと思うと今でもゾッとします。
(広島県 女性)