家の中を移動する赤ちゃん人形
自分が幼いころに赤ちゃんの人形を買ってもらい一時期持ち歩いていたがすぐに飽きてしいずっとしまっていた人形がありました。
当時は祖母の家に住んでおり小学生になるころに引っ越し人形もその時に捨てたと思っていたました。しかし中学生になったときに突然屋根裏部屋の下にその人形がありました。家にあったことに驚き不気味に感じましたが、思春期ということもあり父親のいたずらと決めつけ恐怖より怒りが強かったです。
その日から、部屋の前や1階のリビング、寝室など様々な場所に移動されるようになり、それが父親のいない日やいかない部屋にも移動していた為段々と怖くなりました。その時にようやく、父親のいたずらじゃなかったことに気づきました。
そして怖さから捨てるにも捨てられずどうすれば良いかわからなくなり、屋根裏部屋の隅にしまいました。
その日から数週間後、寝室の前に人形が落ちていました。恐怖を感じながらも拾うとプラスチックでできている眼球から緑色の毛がはえていました。1本や2本なら古いものだったので何かの拍子にくっついたと思うのですが、10本以上の毛がひっぱても抜けない強度で生えていたのでかなり怖かったです。
その後はなぜかあまり覚えていませんが、もう家に人形はありませんでした。文字に起こすと怖いですが、思い出すと不思議な気持ちが強いです。
(神奈川県 女性)
血色が良くなったリカちゃん人形
私は幼い頃、妹とよくリカちゃん人形で遊んでいました。お人形遊びが大好きで夏休みなど朝から晩まで楽しんでいました。そんな私も大人になり結婚・出産。二人の娘に恵まれました。長女が4歳頃、実家に遊びに行っていた時のことです。
私の妹が1体の古いリカちゃん人形を持ってきました。私自身はリカちゃん人形のことなどすっかり忘れていたのですが妹が保管してくれていたのです。
30年ほど前の人形なので髪はボサボサ、顔も汚れていて目や口は薄くなっています。でも長女はリカちゃん人形を見て大喜び。とても気に入ったので自宅に持ち帰ることにしました。
リカちゃん人形で遊んでいる長女を見て次女も遊びたがるようになったので主人が新しいリカちゃん人形とお家を買ってあげました。娘たちは大喜びして毎日のようにお人形遊びをしています。そのうち不思議なことに気がつきます。
私の持っていたリカちゃん人形の目や口の色がはっきりしてきたような気がするのです。
汚れは拭いてあげましたが目や口に色を塗った覚えはありません。まるで久々に遊んでもらえるから嬉しくてお化粧し直したような・・・そして新しいリカちゃん人形もあるのに長女は必ず私の古いリカちゃん人形で遊びます。「何で?」と聞くと「遊んであげるとこのリカちゃんは喜ぶの」という娘。ちょっとびっくりしましたが30年ぶりにまた子供と遊べてリカちゃん人形も嬉しいのかもしれません。
(女性)
友達の家にあるいわくつきのフランス人形
子供の時に友達の家に行った時の体験です。
友達の家のピアノの上に、フランス人形が2体飾ってあり、「友達が夜になると目がギロって動くんだよ。」って言うので、「そんなことないよっ。」て、言ってたんですが、「じゃぁ、夜見に行こうよ。」と言う話になり、夜中見に行くことになりました。
寝静まった頃にピアノがある部屋に向かいました。ピアノの上には相変わらず2体の人形が座っており、特に変わった様子もなく、「なんだ。動かないじゃん。」と、言って、部屋に戻ろうとした、その時、風が吹いてもいないのに、ポトッと落ちたのです。
友達が落ちた人形を拾ってピアノに置いたその時、人形がこっちを見て、目をぐるぐる動いたと思って瞬間、「ぎゃーっ。」となって部屋に走って戻りました。
後日人形は壊れてしまったようで、お人形を供養してくれるところへ持って行ったと友達は言ってました。あのときは、本当に怖かったし、怖いもの知らずで見に行くものではないなって思いました。
(埼玉県 女性)
悲しみのピエロ人形の念
中学生の頃、同居していた叔父に彼女が出来ました。彼女は叔父より5つ年下で19歳の綺麗な方でした。結婚前提にお付き合いをし、2年ほど経ちましたが、両親が結婚に反対し、会う頻度も少なくなっていきました。それでも、お互いの記念日は大事にし、プレゼント交換をしていた様で、女性からのプレゼント!と直ぐにわかる様な可愛いものが部屋に溢れていました。
そして、ある年のクリスマスに、小さなクリスマスツリーに手作りクッキーの飾りがついたものと、大人の手のひらサイズのピエロの人形がありました。私が叔父に、「このピエロの人形は彼女さんの手作り?」と、聞くと、ニッコリ笑って「初めて作ったんだって!」と、言いました。それから、叔父の部屋のタンスの取っ手に引っ掛けていました。顔と、手足はプラスチックの様な素材で、頭と胴体は柔らかく、サラッとした生地の下に綿が詰められた様な、簡単な造りのものです。目や口も、元々描いてあったようで、彼女さんは組み合わせただけだと思います。なんとなく気持ちが悪かったのですが、私はそのピエロが気になって仕方ありませんでした。
その後数ヶ月で、結局両親に結婚を認められず、別れてしまいました。叔父も暫くは落ち込んだ様子でしたが、ある日ピエロの人形がゴミ箱に捨ててあったのです。私はこっそり拾って自分の部屋に隠しました。
それから、部屋で過ごす時間、何となく誰かに見られている気がして気持ち悪く、1ヶ月程経ったある日、あのピエロだ!と、直感的に思い、母が出していたゴミ袋の奥に捨てました。そして、翌日学校から帰ると、玄関の外にピエロの人形が落ちていました。ゾッとして、外の生ゴミ専用のゴミ箱に放り込みました。
ところが、翌日、玄関の中に落ちていて、次のゴミの日に私がしっかり封をしてゴミ置場に捨てました。すると、次は私の部屋に戻ってきていました。恐怖のあまりやっと親に話し、お寺に預けて供養してもらいました。叔父と、彼女の未練からか、不思議な体験でしたが、複雑でもありました。今でも悲しげなピエロの顔が忘れられません。
(兵庫県 女性)