今から10年くらい前、家族で九州へ旅行に行きました。その日は、主人の仕事が終わってからの出発で雨が降っており少し肌寒いくらいの気温だったと思います。
主人が運転しており、助手席は私、後部座席には2人の子どもが寝ていました。
そしてふと主人が「あれ?なんか迷ったのかな?」言い、路肩に停車させ、カーナビをいじりは始めました。周囲は木々に囲まれた森で、すぐ側には赤い前掛けをしたお地蔵様がありました。
私たちは、カーナビで確認し、間違いはないかしっかり調べて、再び走り出しました。
そして15分くらい道なりに走っていたのですが、また同じ場所に着いてしまったのです。もちろん先ほどカーナビに目的地を入力をしているためその指示に進んでいるし、一本道でもありましたので間違いはないはずです。側には赤いお地蔵様があるんです。
そしてまた同じ場所に戻って来てしまいことを、何度か繰り返しました。
薄気味悪くなっており、ふとお地蔵様を見てみると、こっちを見ているように見えました。
主人に「お地蔵様が見てるし、気になる」と言っても、主人は「気にするな」と言います。でも気になって仕方ありません。
そこで、主人には車で待っててもらい、私がお地蔵様にお祈りをしました。どうか、この山道から抜け出させてください、と。
そしてまた走り出したのですが、雨も上がり始め、星空も綺麗なほどに天気が良くなりました。
しばらく山道は続きましたが、そのうち民家が見え始め、私たちの目的地としていた場所も見えてきたのです。なんとか山道を抜け出すことが出来て安堵しましたが、なぜあのような事が起こってしまったかは今でもわかりません。キツネに化かされたとかいいますが、あのような事がそうなのかもしれません。
(山口県 女性)