イヤらしいこっくりさんの霊
中学生のころ、「守護霊様」というこっくりさんに似た遊びが流行りました。
こっくりさんと同じように、紙に50音や数字やYES,NOなどを書いて、二人で1本の鉛筆を握り、紙に鉛筆の先をつけます。
そして「守護霊様、守護霊様、いらっしゃったらYESに動いてください」というような言葉を言うと、鉛筆が動いてYESの所に動きます。
そのあと色々質問をしていくのですが、だいたい「○○くんの好きな人は誰ですが」とか恋愛がらみのことを質問してキャーキャー言いながらやっていました。
鉛筆を持っている二人とも、動かそうとしてないのに勝手に動く感じが不思議でしたが、占いみたいな感じで、しかも皆が求めるような、本当っぽい答えを言ってくれました。
いつの間にか流行が終わって誰もやらなくなっていましたが。
あれはなんだったんだろうと今も不思議です。
そして、誰が鉛筆を持つ役をするかで鉛筆の動きが変わるのも不思議でした。
霊感が強いと噂されていた子が鉛筆を持つと、すごく早く鉛筆が動いて、しかも本当っぽい答えが多かった気がします。
私も何回か鉛筆を持つ役をやりましたが、一緒にやる友達によって微妙に違いました。
ある時仲良しの友達と鉛筆を持ってやってみた時、質問にはなかなか答えてくれず、下ネタの文字にばかり動いて、なにこれ~と笑った記憶があります。
私か友達が心の中で思っていることが出てきてしまったのかもしれません。
(茨城県 女性)
なんでも答えてくれるラブ様
私が中学校の1年生に上がったばかりの時で、今から30年前、平成に変わったばかりの年でした。
新しい友達が出来て、さっそく私を含めて3人で友達の家へ遊びに行きました。
始めは中学生活の雑談をしていたのですが、そのうちの一人が「ラブ様」をやろうと言い出したのです。
聞きなれないその言葉に私は「何それ?」と聞くと2人とも「え?知らないの?」と、まるで常識だよと言わんばかりの言われ方をされてしまいました。
話を聞くと、それはこっくりさんの書式違いでボールペンを使うと言うもので、さっそく経験のある2人は準備を始め、周りの文字を「あ」から「わ」行まで書き、ラブ様を呼びだしました。
そして、クラスメートや担任の事をラブ様に質問を始め、ほとんどは不満だったと思います。
「あの人のあの部分が嫌い」とか、「あそこは直してほしい」とか自分の思い通りにしたいだけです。
それでもラブ様は質問に対して、ボールペンが一文字ずつたどり、きちんと言葉になっていました。
ラブ様は否定や肯定を繰り返すように答え、否定されると、友達は不満そうでした。
しばらく否定が続き、友達も嫌になったのか、今度は私にやるように言ってきたのです。
私は「怖いからやりたくないよ」と言いましたが、結局やる羽目に…。
とりあえず、悪口は言いたくもなかったので、質問するのは、無難なお天気とかを尋ねてみました。
「明日は大事な用事があるので、晴れにしてくれませんか?」と尋ねると、「はい」と動き、すごく驚きました。
自分は全く何もしていないのに勝手にボールペンが動くのです。見えない力が働いているような感じです。
返事に対して、「よかったです。ありがとうございます。おかえりください。」と、お礼を述べたところ、「はい」とボールペンは動きました。
本当に人間同士のやり取りと同じですね。今思えば。
また「ありがとう」と言えば、「とんでもございません」と返事も来たりと。
人間ではないあの世の誰かに対しても挨拶は必要なんだと、思いました。また無茶な要望ばかり聞いていた友達とは、その後、なんとなるグループが変わってゆき、入学したての頃だけの付き合いでした。あまり性格の良い人ではなかったので。
(神奈川県 女性)
男の子の居場所を教えるこっくりさん
これは私が小学生の頃の話で、女友達と3人で放課後の教室でこっくりさんをやろう、ということになり、紙と鉛筆を用意して始めました。
そして、こっくりさんが帰るための窓を開け、紙に50音と鳥居とはい・いいえを記載し鉛筆を持ち、開始。
「こっくりさん、こっくりさん、こちらは〇〇(住所)です。おいでください…」と言います。すると「はい」へ移動します。
最初は小学生なりの恋愛の事についての質問をしました。
「〇〇君は誰が好きなんですか?」などです。
返事はよくわからない言葉を並べたものであり、理解不能だったので、みんなでキャッキャ言いながらやっていました。
その時、友達の1人が思い出したように私たちに言いました。それは、数日前に近くの養護学校で男子生徒が1人行方不明になってしまったという学校放送や張り紙などの情報があったので、その子はどこにいるか聞いてみました。
「こっくりさん、こっくりさん、〇〇君は今現在どこで何していますか?」
するとゆっくり鉛筆が動きました。
「み」「ず」「う」「い」「て」「る」と進み止まってしまいました。
私たちは何それ?と全く訳が分からず、そこで、こっくりさんには帰ってもらい鉛筆を折って帰宅しました。
後日、こっくりさんをやってその事も忘れかけていた時に、学校放送で「行方不明だった〇〇養護学校〇年の〇〇君が先日発見されました。ご協力ありがとうございます」と。
私は発見されて良かったと安堵し、帰宅後、母親にその話をしたら、近くの貯水池で亡くなっていたと聞きました。
そしてあのこっくりさんの言葉を思い出して恐怖を感じました。
私がこっくりさんをやったのはそれが最後です。
(宮城県 女性)
真実を教えてくれたこっくりさん
今から40年程昔の話です。
小学6年生の時に転校しました。
転入先で仲の良くなったY子と気が付けばいつも二人でいました。
昔でいう鍵っ子のY子は家に帰っても一人だからと近所の児童館で一緒に遊ぶことが多かったのです。
1学期があと1週間で終わるころ、いつもの児童館で学年が2つ下の女の子2人が落し物が見つからないと困っていました。
お祖母ちゃんから買ってもらった誕生日プレゼントのビーズのブレスレットです。
突然、友人が「じゃ、こっくりさんに探してもらおう」と言い出し、こっくりさんを4人で始めました。
質問に対する返事は「おとしものじゃない」「ぬすまれた」でした。
誰が盗んだのと尋ねたら、なんと友人の名前「Y子」と言うのです。
ありふれた名前なので、最初は気にしていなかったのですが、よく見るとY子が震えています。
突然「こんなの信じない!こっくりさんなんて居ない!」と叫び怒って帰りました。
自分から誘ったくせに・・・と思いながら、もしかしたら・・・という気持ちもぬぐい消えず、翌日、学校へ行きました。
Y子は休んでいました。
先生に聞くと「体調が悪いと連絡があった」とのことです。
そのままY子は学校に来ることなく、夏休みを迎えました。
何となく心に引っかかるものもありましたが、Y子がいなくなった途端に友人が増え、楽しい夏休みを過ごしました。
2学期になるとY子が転校したことを知りました。私を含め、そのことを知らせれている子はいませんでした。
後々Y子があまり評判の良くない子であったこと、鍵っ子というのは嘘だったことを知りました。
なぜ、Y子がこっくりさんをやりたがったのか、そこで「Y子」の名前を出したのか、確認することのない後味の悪い思い出です。
(青森県 女性)
こっくりさんに指示された体験談
大抵、どこの学校でもそうだと思うのですが小学生の頃こっくりさんが流行りました。
いつのまにか1日に何度もやるようになっていました。
しかし、これも危険なりっぱな降霊術です。
私も怖い目にあったうちの一人です。それは翼を持つ者だと自称していました。
帰ってくださいと言ってもなかなか帰らず、しまいには山の中に花を手向けろと言われ、仕方なく花束を買って夕方に供えに行ったことがあります。
当時子供でしたのでお金がそんなにはなかったので、数人でお金を出し合い、安いものを買いました。
先生も騒ぎになっていたので、相談にのってくれました。
今思えば子供が起こした騒ぎに付き合ってくれるなんて、その先生はとても良心的だったと思います。
薄暗い山の中で子供だけで歩くのはやはり危険でした。しかし、花束を手向ければ呪われないと約束されたので、それさえすれば良いとも思いました
もちろんその後で先生にこっぴどく叱られて、こっくりさんが禁止されたのは言うまでもありません。
(埼玉県 女性)
予言するこっくりさん
わたしが小学校五年生だった時のことです。
放課後の夕日が差し込む教室で女子三人でこっそりとこっくりさんをやりました。
鳥居に10円玉を置き、「こっくりさん、こっくりさんおいでになられたのなら、お答えください」と三人で声を合わせて指先に神経を集中させました。
最初はほとんど動きはなく、ゆる~っと少しすごい多だけで「動かしたでしょ!?」とこそこそ言いながら笑いあってしまったりしてなかなか変化がありませんでした。
ときどき教室に人が入ってきそうになったりしたので、静かに様子を見ながら続けました。
するとス~ッとスムーズに動き出したのです。
「なんか怖い…」
一人がやめようと言い出しましたが、途中でやめると悪いことが起きそうなので、クラスで人気のある男子が「誰のことが好きなのか」などを尋ねました。
比較的人気のある男子の気持ちを聞いたせいか、わたしたち三人の誰のことも好きではありませんでした(笑)
しかし、そのあと「い・な・く・な・る」という気になる文字を示したところで先生が教室に戻って来そうになったのであわててこっくりさんに帰っていただきました。
小学校卒業と同時にその子は他県へ引っ越して行きました。
今思い出しても背筋が寒くなる三人だけの秘密です。
(茨城県 女性)