いわくつきのA室
私が勤務していた病院では稀に、誰もいない部屋からナースコールが鳴るA室という部屋があり、そこはナースステーションからは遠い部屋なのですが、個室部屋で一番料金が高い部屋でもありました。前日までは患者さんがいたのですが、私が夜勤で出勤した日には退院して誰もいませんでした。
その日もいつものように巡回していると、その部屋を通った際に中からトイレの水を流す音がしました。居ないはずなので気になり入ってみると入りレバーを見ると少し斜めになっていて水が流れているだけでした。「なんだ」とほっとした私はその後、そんな事も忘れまた業務に戻っていました。
同僚が仮眠に入り、私と先輩の二人になりました。そして先輩はナースコール対応でナースステーションから離れて一人になったその時です。今度は先ほどのA室からナースコールが……。私は先ほどのレバーの件を思い出し、ハッとなりましたが、向かうためナースコールを切りました。もちろん誰もでません。そして今切ったばかりのナースコールが再び鳴るのです。もちろんA室から。
怖くなりましたが、行かなければならないため恐怖を感じながら向かいました。するとやはり誰もいない真っ暗な部屋です。
するとまた水がチョロョロと流れる音が鳴り始めたので、見に行くと、またレバーが斜めになっており、そこの床には一滴の血液が落ちていました。最初に見に行ったときはなかったです。怖くなりすぐに戻り先輩に報告すると、先輩は無人のA室のナースコールが鳴った経験はあるが、トイレを流れる音を聞いたことはないと言っておりました。
(大阪府 女性)
続く怪奇現象
神奈川県内の総合病院に勤務していたときの心霊体験です。その日私は夜勤で、内科と外科の担当でした。
いつもは二人で組んでの勤務になりますが、その日は急患が多くて先輩の看護師は救急対応に駆り出されました。
一人での勤務は大変多忙であり、ナースステーションを空けてばかりいました。ナースコールが鳴りっぱなしでしたが対応しきれず、点灯している部屋番号を確認しながら直接患者さんの対応をしていました。
午前4時を過ぎた頃にやっと一段落して、ナースステーションにてお茶を飲みながら一息し。疲労感から少しうとうとしてしまい気付いたらナースコールが鳴っており慌てて飛び起きました。
部屋番号は301号室外科の個室でした。患者さんは30代の男性で前立腺癌ステージ3でした。「オペ前なので注意してあげてね」と先輩からの伝言を思い出し、慌ててナースコールを取りました。
しかし無言のままで、それが却って不安になり、301号室へと急ぎました。
病室につき扉を開けると中は綺麗に掃除されており、ベッドメイキングも終えてありました。
状況が把握出来ずに急いでナースステーションに戻り、先輩へ内線携帯を鳴らそうと電話を取ろうとした瞬間、ナースステーション内の全ての電話機が一斉に鳴り出しました。
そして椅子や机が勝手に動きガタガタとの音も重なりました。けたたましい音と理解し難い状況の中パニック状態になった私は、なぜか301号室で倒れており、先輩に発見され、意識を取り戻しました。
その後の先輩からの話では、301号室の患者さんはうつ病も併発しており、自身の病を悲観し301号室でネクタイを何本も結んだもので首吊りをされたとのことでした。
その際男性はナースコールの方向に手を伸ばした状態だったそうです。苦しさに耐えきれずにナースコールを押そうとしたが届かなかったように見えたとも聞かされました。
引き継ぎが上手く出来ておらず、私と先輩はその事実を知らせれていませんでした。
あのナースステーションでの出来事が本当に起きたことなのか、それとも疲労感からくる夢や妄想だったのかは未だに不明です。しかしあの日から301号室は、倉庫として使われています。以上が私が体験した心霊体験です。
(女性)
おむかえのナースコール
数年前、看護師として病院で夜勤をしていました。4人部屋の211号室に患者様が2人入院しており、20時頃その部屋からナースコールが鳴ったため訪室しました。
患者様に「どうされましたか?」と尋ねると患者様は首を傾げて「ナースコールは押してませんよ」と。
もう一度ナースコールピッチを確認すると、患者様が入院していないベッドからのナースコールだったのです。
何かの間違いだと思い、引き続き仕事をしていたのですが夜中の1時頃に再び入院患者がいないベッドからのナースコールが鳴りました。
消灯のため廊下や部屋が真っ暗だったのもあり、恐怖心が出てきてしまいました。
相方の看護師は仮眠休憩中であり起こす訳にもいかず懐中電灯を持ってナースコールが鳴ったその部屋まで行くことに。患者様は入眠はしていたためナースコールの接続不良だと自分に言い聞かせ仮眠休憩から戻ってきた相方の看護師にその出来事を伝えました。
きっと何かの間違いだよねと2人で笑ってその日の夜勤は終了したのですが、その日のお昼間に211号室の患者様が1人お亡くなりになったと聞きました。誰も鳴らしていない211号室のナースコールは何かの虫の知らせだったのかもしれません。
(千葉県 女性)
深夜の個別相談室からの恐怖のナースコール
看護師です。勤めているのは創立100年以上経つ古い病院です。病院自体は立て直しはしていますが、それでも古さのある建物です。
前の病院にいた時から、「あれ、ここに先輩がいたと思ったのにな。」などと気配を感じつつも誰もいない、といった体験は何度かありました。
夜勤は看護師2名、補助者1名の3人でおこなっています。その日はとても暇で、夜勤の休憩交代も終えて4時半ごろ、みんなでナースステーションに集まって雑談をしていました。すると遠くから電話の音がするのです。
ナースステーションにいるので内線やナースコールが鳴っていないことは確かです。誰か患者さんの携帯電話が鳴っているのかなと思い廊下に出ると、病室ではなく患者個別相談室から鳴っているのがわかりました。
きっと内線の音だと思ったのですが、夜中は鍵がかかっていて入る事ができず電話に出る事ができません。しかし、個別相談室に夜中の4時に電話をする人などいないので、きっと内線を間違えて他の階の看護師がかけたのだろうと思い、しばらくしたら鳴り止むと思っていました。
しかし5分経っても鳴り止まず、電話は鳴り続けるのです。
私たちは悩んだ挙句、当直の看護師長へと連絡し相談室の鍵を開けてもらいました。
勇気を出して電話に出ると「…はあぁっ!」という女性のため息にも似た声がして、ガチャっと電話は切れてしまいました。あれはなんだったのでしょうか、今でもわかりません。
(神奈川県 女性)
誰が鳴らしたかわからないナースコール
病院に勤めていた時の話です。その日は、夜勤でバタバタしていました。夜で少し疲れていたこともあって、バタバタしていたのが少し収まるとホッと書類整理を始めました。すると、ナースコールがなりました。しかし、その部屋には誰もいません。
驚きましたが、誰かが倒れていたら困ると思い、その部屋に向かいました。恐る恐るドアを開けて確認しましたが、誰もいませんでした。ホッして、夜の見回りもあったのでそのまま患者さんの部屋を回っていきました。
最初は順調でしたが、ある部屋に行った時にベッドのところに座っている足が見えました。そのベッドの患者さんは、トイレに行く時必ず座って準備をしてくれているおばあちゃんでした。なので、トイレに行きたいのかな?と思い「○○さん、おトイレですか?」と声を掛けながら、近くに行ってカーテンを開けました。すると…おばあちゃんは、ぐっすり寝ていたのです。
あれ?っと思い、足があった場所を見ましたが、何もありません。怖くなってしまい、カーテンを閉めナースステーションに戻ってしまいました。その後も、心臓がドキドキしていましたが、落ち着いて仕事が出来るように深呼吸をして夜勤をやりすごしました。あの足は、なんだったのでしょうか。。。
(茨城県 女性)