これは僕が大学生時代に友人と旅行に行った時の話です。以前から霊を引き付けてしまうことはありましたが、まさか旅行中にも心霊体験をしてしまうとは考えてもいませんでした。
自分と友人を合わせて3人で九州旅行に冬休みに行きました。
ご飯を食べることが好きなので食べ歩きや、屋台などとても楽しんでいました。
おなかもふくれ、予約したホテルに向かうことにしました。チェックインの際に荷物を部屋に置いており、どのような部屋なのかは確認していました。
3人部屋のため、広く過ごしやすそうだなという印象を受けていました。そのときは。ただご飯から帰ってきたときには何か変だなということに気付きました。
そのことを今ここで口に出すとせっかくの旅行を楽しんでいる友人に申し訳なさを感じ心の中にとどめていました。
ベッドは人数分あり、僕は玄関に一番近いベッドで寝ることになりました。
友人は疲れていたのかシャワーも浴びずにそのまま就寝。僕は少し怖さも感じながらシャワーを浴び、ベッドに入りました。
思いのほか早く眠りにつくことが出来たのですが、2時間ほど経った辺りに、ドアのノックオンが聞こえました。とても小さな音だったので、それに気づいたのはドアから一番近い僕だけでした。
こんな時間に何だろうと、気のせいかもしれないとも考えたのですが、気にしすぎて眠れないのは嫌なので恐る恐るドアの方へと近づいていきました。
ドアの向こう側に人の気配は感じられなかったのですが一応ドアを開けて確認しました。誰もいません。
気のせいだったのかとホッとしたのもつかの間、振り返ると、そこには成人しているであろう女性の姿が見えました。
ただ何かおかしい。体が透けて見えるのです。
このようなことは以前にもあったのですがやはり慣れません。怖さのあまり、腰が抜けました。すると少しずつ女性が自分の方に近づいてきます。逃げ出そうにも動くことができませんでした。
気が付くとすぐ目の前に女性の姿が。何か自分に訴えかけていたのですが何を話しているのか聞き取ることもできず、そのまま気を失ってしまいました。
朝は友人が起こしてくれました。玄関で寝ているからびっくりしたと。
僕は昨晩の出来事を話したかったのですが空気を悪くしたくなかっため、本当のことを話しませんでした。酔っぱらいすぎておぼえていないと、そう話しました。
恐怖体験はどこでも起こりうるものです。皆さん気を付けてください。
(京都 男性)