中古車のお祓い
十年以上前の話です。
友達が中古車を購入したのですが、値段からして事故車だろうとの事で外出の序でに御払いの為、神社に行く事になりました。
御払いと言っても単に願掛けをしてきただけなのですが。
そこは狐が祀られた稲荷神社だったんですが、着いた時、何故か私は嫌な感じを受けました。
危険とか恐怖心とは違いますが、何となく行きたくない、モヤモヤした気分が込み上げていました。
それでも事故は避けたいので、狐の像は見ないようにして参拝をしたのですが、お辞儀をして顔を上げた時、後ろから何かに引っ張られる感覚を受け、私は振り返りました。
勿論、私の後ろには誰も居ない。
視線の先には、狐の像。
その時、横を向いてる筈の狐と目が合った気がしました。
そして、肩に明らかな重みを感じ、憑かれたと解りました。
動けずに唸る私を見付けた神主さんが駆け寄ってきてくれた時、何かが見えたのでしょう、祠の方に向かって何かを呟きながら手を合わせていました。
私はとにかく此処を離れたく、友達に車を近付けるように頼んだのですが、そこから意識が飛びました。
友達の話では私を車に乗せようとした時、私が奇声のような高い声を上げたそうです。
そして直ぐに寝息を立て始めたと。数分の出来事でしたが、起こされた時は気分が晴れていました。
神主さん曰く、想像通り、私は狐に憑かれていたそうです。
項の辺りにはうっすらと引っ張った痕なのか、数本の赤い線も残っていました。
そして車が事故車である事も。
でも車はもう大丈夫だと言われました。
私が鳴いた時、車内の嫌なものが一掃されたそうです。
帰り際、狐とまた目が合ったような気がしましたが、嫌な気持ちは全くありませんでした。
むしろ近く感じました。
余談ですが、この話を母親に話した所、思わぬ事実を告げられました。
幼少の頃、私は稲荷神社で泣き、狐に憑かれた事があったとの事。それを聞き、最初に感じたモヤモヤが少し分かった気がしました。
久しぶりに会う目上に緊張していたのかも知れません。
そして私を通じて事故車に憑いていた何かを払ってくれたのだと思いました。
(茨城県 女性)
念願のセダンの中古車を購入 前半
今から20年ほど前の話で、私がまだ免許を取得する前の話です。
実家では今までワゴン車や軽自動車などを乗っており、セダンは一度も買ったことがなかったので、親に次買い替える時はセダンが欲しいと伝えていました。
そしてそれからしばらくしてから買い替えるタイミングがやってきたので、中古車でH社の3000㏄くらいでシルバーのセダンを購入したのです。
その車はかなり条件が良く、値段も60万円くらい?で、中国地方(広島県辺りだった気がする)から来た車だと聞かされています。
親は購入後は加速もよく運転しやすくていい車を購入できたと喜んでおりました。
それからしばらくしてから、両親がドライブに行って帰宅した時のことです。
自宅の駐車スペースで何かぶつかったのか?など言って両親が騒いでいたので、私は車に見に行きました。そしたらフロント右側に結構な量の血がついていたのです。
しかし一切、その場所に傷もなく凹みもないのです。
両親も何もぶつけていないし、動物も何も居なかったと言って水で流していました。
その後、用事で母が運転し、母の姉の叔母を乗せていた時の事です。
叔母が車の天井から生えた不可解な長い髪を1本発見し、母に伝えたのです。
それはちょうど車の中心部分(運転席と助手席の間から少し後部座席寄り)の天井から髪の毛が1本だけ、まるで生えてるようにブラーんとぶら下がっており、二人でなにこれ?と話し、あまり気にせずに叔母はその髪を抜き、しっかり毛根まであったと言っておりました。
ちなみに叔母はそうゆうものは一切信じない人です。
今現在もその話をしたら「あ~」っていう感じで無関心でした。
それから後日、母親が父親に車の髪の毛の話をした時のことです。
母は車から1本髪の毛が生えてて抜いたと話したのですが、実は父親も違う日に髪が生えてることに気づき、1本抜いていたのです。
場所は助手席辺りだと言っていました。
父親の話によると職場の同僚が父親の車を見て長い髪の女の人が助手席に座っていたと言われた話も家族に話してくれました。
さすがにちょっと車はまずいんじゃないの的な感じになってはいましたが、我が家では勝手な解釈をして特に事故や害になることもないからしばらくまた乗る方向になったのです。
車庫にて 後半
なんだかんだでその車を購入して数年経過したある日のことです。
ちなみに私の妹は小さい頃から不思議なものが見える体質で(出産後は全然見えなくなったらしい)その日も部活が終わり、車庫が音を立ててガラガラと開き、しばらくすると、車庫も閉めずに叫んで家に入ってきました。
妹の話によると、車庫に自転車をしまおうと思ったところ、車の助手席に長い髪の女が座っていたに気づき、妹も気づかないふりをして、自転車を自動車の助手席横に置くと同時にその女も一緒に首を横に向けてこっちを見てきたとみんなに説明し、かなり怖がっていました。
それ以来、妹は自転車を車庫にしまう時は、母を呼び一緒に自転車をしまっていました。
その車で起こったことはこれが最後で、それ以来は何事もなく、それから数か月後買い替えのため廃車になりました。
結局、この車が事故車かどうかもわからずじまいでしたが、とりあえず事故がなくて良かったと思っております。
(北海道 女性)