塾のアルバイト時代の教え子
大学生のときにアルバイトで中学三年生の男の子の国語を見ていたのですが、私も短期アルバイトだったこともあり、すぐに辞めてしまいました。
あまり真面目な生徒ではなかったのでよく覚えていて、年齢のわりには純粋な男の子だなぁという印象でした。
それから数年。私も大学を卒業し、いくつかの転職を繰り返して、理学療法士を育成する学校の事務職につきました。
新しい事務員ということで挨拶をしたり、生徒のテスト監督をしたりしていたのですが、なんとその複数ある学年、クラスのなかに、どうにも見覚えのある名前と見た目の青年がいたのです。まさかとは思いましたが、その青年にテスト終わりに声をかけました。6年以上経っていたのに、なんだか確信をしていた自分にも驚きました。
「あなた、中学三年生のときに、○○っていう塾に通っていなかった?」すると、彼はくすぐったそうに笑って、「先生、俺のこと覚えてたの?」といったのです。本当に驚きました。まさか短期間のアルバイトで受け持った生徒に再会するなんて、しかもそれを自分も相手も覚えているなんて、驚きました。
こんな偶然はあるのかと、本当に二人で話し込みました。ちなみに、彼の学校での国語の成績は相変わらずで、それもなんだか嬉しくなった、そんな不思議な体験でした。
(岡山県 女性)
立て続けに遠戚と再会した体験
以前に働いていた職場の話です。
食料品がメインの業種の店で、ノルマの厳しいお店でした。
私は食料品店以外の部署でしたが、食料品店の方々と同じだけのノルマがあり、お客様に頼むといった食料品店勤務の方々のようなことも出来ず毎回通知される目標に頭を抱えていました。
ウナギやお茶、ワインなど保存方法があるものは自腹を切っていたのですが、ケーキや恵方巻きなどはそれも厳しく……。友人親戚近所に頭を下げて購入して頂いていました。
その年もクリスマスケーキの予約が始まりました。業績が厳しいからとノルマは前年の25個から45個に跳ね上がり胃の痛い毎日。
心苦しいのですが、仏事以外ではあまり親交のないような遠戚にも声を掛けようとリストアップを始めました。
突然尋ねるのは悪いだろうか、電話はどう切り出そうか。そんなことばかり考えていると体調も悪くなり、以前お世話になった整形外科へ行く羽目になりました。
そこで、以前通っていた時には全く出会ったことのない遠戚の方と遭遇。
待ち時間の間、話をすることが出来クリスマスケーキの予約をして頂けました。
こんな偶然もあるんだなと思いながらの帰り道、少し気分も良くなったので本屋に立ち寄ると、ここでも他の遠戚の方に遭遇。
「滅多にここには来ないんだけどたまたまね」と話すその方にもケーキの予約をお願いすることが出来ました。
遠戚の方には非常に申し訳ない話ではあるのですが、その日の二件揃っての偶然は本当に嬉しかったです。
(東京都 女性)
同窓会
数年前の台湾旅行でのお話です。
旅行前に短大の同窓会の出欠ハガキを出して行こうと思っていたところ、忘れて台湾へ行ってしまいました。
出欠ハガキには、連絡先不明者リストに載せている方で知っている方がいれば合わせてお知らせ下さいと書いてありました。
私の卒業後、数年後に留学生を採っていたことはそのリストで知っていました。
台湾旅行ではいろいろな観光地へ赴き、夜に行天宮の地下にある占いのお店に行きました。そこで日本語通訳をしていた方と親しくなり、彼女の地元の夜市へ連れて行って頂きました。
屋台巡りをして、夕飯を一緒に食べていた時に、日本のどこから来たのか、私も日本へ留学していたなどという話をしているうちに、同じ地域にいたことが分かりました。
どこの学校に通っていたかを聞いたところ、なんと私が卒業した短大だったのです!リストに載っていた留学生は彼女でした。
留学後、台湾へ帰国していたこともあり、短大からの連絡は途絶えてしまったとのことでした。短大や地元でお世話になったかたに連絡を取れれば、とのことだったので、短大へは、たまたまポストに投函し忘れてしまったハガキに彼女の連絡先を記入して、帰国後に投函しました。まさか海外でそのような方にお会いすることが出来るなんて驚きました。
ハガキを投函し忘れたのも、彼女に引き合わせるためだったのかと、偶然にしてもかなり不思議な出来事だと思いました。
(埼玉県 女性)
検定試験のアルバイトでの体験談
むかしむかし、学生時代にアルバイトである検定試験の監督をしたときの話です。
その検定試験はかなりメジャーな試験で、大人数のアルバイトの募集がありました。
私は普段はほかのアルバイトをしていたのですが、その日は休みだったので、アルバイト募集のサイトを通して応募して採用されました。
そして当日、仕事の説明をされて、各グループに分かれて会場に向かいました。はっきりとは憶えてはいないのですが、同じ説明会会場にいただけで100人以上のアルバイトがいたと思います。
そして5人だったか6人だったかのグループだったので、20ほどのグループに分かれたと思います。
会場に着いたらすでに受験生は席についていました。
私たちは問題用紙を数えたり最終確認をし、時間になって問題を配布し、何事もなく無事に試験が始まりました。このタイミングで受験票の写真と受験している人の顔が合っているかを確認する作業があります。
スタッフの半分は全体を監督する役で、あとの半分で列ごとに顔を確認していきました。
私は確認をする役の一人でした。
こういう試験監督のアルバイトは前にもしたことがあり、不正なんて起こらないだろうと思いつつ、顔写真を確認します。
本人、本人、これも本人・・・と確認していったところ、そこに弟がいました。
弟とは別に住んでおり、この検定を受けることは全然聞いておらず、驚きすぎて一瞬夢かと思いました。
終わってから弟に私に気づいたかと聞くと、彼は試験に集中していて気づかなかったそうで、そのことにも驚きました。
(東京都 女性)
会いたくない時に限って会ってしまう偶然
大学4年の時のことです。
私を含め男2女2のグループに属しておりました。今後は私、男1、女1、女2と称します。男1と女1は交際しており、女2は私の地元の友達と交際をしていました。
男1と女1が卒業前に旅行に行くと聞き、女2と私達も旅行に行こうという話になりました。
私と女2それから女2の彼氏※今後は男2と称す。それから、私が狙っていた地元の女友達※今後女Cと称する。の4名で大阪に旅行に行く計画を立てておりました。
男1女1カップルには、授業がなく行き先を聞いておりませんでしたが、あらかじめ日程は聞いていたため、その日程と重なるよう計画しておりました。
それが、まさか現地で会うことになろうとは。
旅行当日大阪といったらUSJというイメージしかないらしく女の子2人はノリノリ。私の狙っている女3も今交際している彼氏と別れそうということで、私もノリノリ。この旅行を経て交際するだろうなと淡い期待をしておりました。
旅行2日目朝からUSJとに行き、お昼を食べた後、ジョーズに並んでいました。並んで20分程たったとき、女2が『あれ、男1じゃない?』と私に言ってきました。
私の3つ先に並んでいたのですが、たしかに後ろ姿は似ており、ラインでUSJなうとメッセージを送ったところ俺も!と返事が来ました。
そこで確信し、おーいと叫ぶと振り返る男1と女1。
その時、女3が『え、男1くん?』と言ったのです。そうです、女3の別れそうな彼氏は男1だったのです。
その後が修羅場となり、最悪の旅行に一転したのは言うまでもありません。
さらに驚くことは男1と女1が交際を始めたのは2年前、女3もほぼ同じタイミング。
男1は2年間も誰にもバレずに二股かけていたのです。その一件以来、女3への気持ちは冷め、男1や女1とも連絡を取らなくなりました。みんな元気かな?
(栃木県 男性)
国内のいろんな場所でばったり会う相手
私は新卒で技術者として関西の会社に入社しました。
その会社は優秀な外国人技術者を研修生として受け入れていました。その中にレイさん(仮名)という人がいました。
インドの人の名前は難しくて覚えにくかったのですが、一番覚えやすい名前の人という程度の印象で、数回会話しただけで大して親しくはなりませんでした。
私はその後、転職をしました。そして転職先がつぶれたりを繰り返しました。会社がつぶれるたびに転職活動をするのが嫌になったので、関西ではなく景気の良い東海地方に引っ越し、ニッチな技術職ではなく食いっぱぐれなさそうな経理職に転職しました。
ある日、転職先の受付のそばに外国人がいて、見るとレイさんでした。
たまたま転職先の同じ課の上司と知り合いだったのです。
レイさんは研修後に帰国してから起業し、仕事で来日して東海地方に住む知り合いに挨拶に来たのでした。その後、その会社も買収されてしまい、私は再び転職することになりました。
ちょうどその時、友人が別の県で起業して誘われたので、また引っ越ししました。友人の会社に転職して数年後、そこのイオンモールに外国人がいて、またもレイさんでした。
たまたま出張のついでに観光した帰りだったそうです。
その後、また関西に戻り、今度は大型の総合病院の経理職に就きました。すると会計窓口の近くに外国人がいて、何と再び来日中のレイさんでした。
なぜかその後も数回、国内の色んな県や場所でレイさんに出会いました。
最初のころは何回出会ったかをカウントしていましたが、途中からは数えるのも面倒になりました。これがドラマなら運命を感じて恋愛に発展するのでしょうけど、特に人間関係が発展することもなく、「お久しぶりです~。元気ですか~?出張ですか~?」くらいの会話で「じゃあ、また、お元気で」で終わります。
人生の中であと何回出会うか分かりません。出会って何か良いことがあったわけでもありません。どこに住んでいるのかも知りません。改めて考えると名字すら知りません。それでもなぜか何度何度も何度も何度も出会うインドの人の話でした。
(滋賀県 女性)