偕楽園で偶然出会った人
ある年の3月、梅の花が見頃だと聞いた私は、千葉から遥か、それまで行ったことのなかった水戸の偕楽園にて梅の花を観てみたいと思い立ち、一路当地を目指した。
いざ偕楽園に降り立つと、園内には一面の梅花が期待を裏切らずたおやかな美しさを誇って咲き乱れており、私は思わず感興を覚えずにおれなかった。すると、ふと梅景色の中に、私は見覚えのある人たちの面影を認めた。
それは紛れもなく、向こう2県隣に離れて暮らしているはずの郷里の両親に他ならなかったのだ。
声を掛けて聞けば、何と、両親も時を同じくして、同様に花盛りの景色を堪能しに来たという。
人と人との出会いにはおしなべて通じることではあるが、わずかでも時が違っていたら、そもそも目的地が違っていたならば、この邂逅は起こり得なかった。やがて、旅は道連れ、家族旅行として偕楽園とひたち海浜公園を巡ろうではないかという話の運びになった。
私は周遊中、血を分けた親子ならではの趣味嗜好、発想の近さを痛感すると共に、人の奇縁の不思議さというものに思いを致さずにはいられなかった。
(千葉県 男性)
離れた地元で会社の同僚に出会った偶然
偶然なんですが、帰省で帰っているときに動物園に行ったら、会社の同僚の家族が全く同じ動物園に来ていて本当に驚きましたね。
向こうは、全く気づいていなかったので敢えて声はかけていないんですが、まさか帰省で会社とは遠く離れた地元に帰っているときに同僚に会ったのは驚きました。
本当に世間は狭いというか、どこで誰に見られているの分からないというか、本当に珍しい体験でした。
こちらだけ気づいて向こうが気づかなかったのも面白いところで、後日会社で「そういえば、あの動物園に、いっていたよね」という話をして驚かれたのは非常に印象に残っています。
あまり観光するようなタイプでは私も、彼もないので、こういうことってあるんだなと、本当に不思議な気持ちになりました。
あれからそういうことはないですが、偶然会いやすい人がなぜかいるように、世の中不思議なこともあるものだなあと実感した出来事でした。
あれ以来、実家に帰った時も、なるべく出来る限りはメイクはするようにして身だしなみには、気を付けるようになったことは、言うまでもありません。
(東京都 女性)
遠方一人旅でばったり同僚と遭遇
今から4年前に初めて一人旅をして広島に行きました。広島は今まで行ったことがなく、日本人ならと思い原爆ドームや原爆資料館を一度見学しようと予定を立てて一人で広島に行きました。
行った曜日は土曜日で金曜日の仕事が終わり、早朝の土曜日に家を出て広島に行って日曜日にはまた帰ろうと予定していました。
この時期は会社の異動が私の会社でもあって違う部署の方々の異動がありました。
一日目土曜日の予定は原爆ドームや原爆資料館などを見学して改めて原爆や戦争の恐ろしさなどを体験しました。
二日目は天気も良かったので宮島に行きました。
宮島には船で行きました。
船から降りると聞き慣れた声がして私の名前を呼ばれ最初は人違いや何かの勘違いと無視していましたがもう一度呼ばれ後ろを振り返るとなんと会社の他部署の方々でした。
まさかこんなとところで出会うなんてとお互いにビックリしていました。
近くのスーパーなどでも意外と会わないのにどうしてこんなところでと凄い偶然で記念にみんなで写真を撮りました。
一人で旅に出ていたことを見られたので少し恥ずかしかったです。
(三重県 男性)
旅行中に友人と出会った
昔、旅行先で友人に出会って驚いたことがあります。当時私は地元から離れた大学に進学し、その地方で就職していました。
仕事が忙しく、帰省することはほとんどなく、当然地元の友達とは何年も会っていませんでした。
そんな中、少し時期をずらして夏休みを取り、地元とはまったく違う地域に旅行に行くことにしました。
友人たちとはスケジュールが合わず、一人旅です。その日は高気圧が出張っており、ものすごく暑い日でした。
覚悟はしていたものの、あまりの暑さに慄いていました。
さらに前日までハードな仕事をこなしていたためか疲れが残っており、少し頭がぼうっとした状態でした。
それでもせっかく長い時間をかけて来たのだからあちこち観光しようと路線バスに乗り込んだところ、目の前に友人の顔がありました。
あまりのことに頭がついていかず、一瞬、もしや自分は目的地と間違えて地元に帰ってきてしまったのかと思ったほどです。
驚いたのは友人もで、「え、〇〇?」「うん。■■?」というやり取りをするまでしばし時間が空きました。
偶然彼女も一人旅中だったのですが、その日に地元に帰る予定だったようで、しばらく話をして別れました。
男女だったら運命を感じるところでしたが、女同士だったので、その後も友達のままです。
(東京都 女性)
オーストラリアで偶然出会った先輩
私は昔から道を歩いていると知り合いにかなりの確率で出会います。家から駅に向かうまでに3人の友達に会い、駅まで徒歩10分のところ、1時間かかってしまったこともありました。
その中でも、一番驚いた出来事は、オーストラリアのエアーズロックに大学時代のサークルの友達と旅行に行ったとき、サークルの先輩と偶然再会したことです。
私達はツアーで参加していたので、全ての日程は決まっていました。
その日はケアンズからエアーズロックに到着したばかりで、まだホテルのチェックインもまだできず、また風も強くてその日にエアーズロックに登ることは出来ないとガイドさんに言われていたので、次の集合時間までかなり時間があり、荷物を預けて2人でホテル周辺を散策していました。
先輩は数日前から1人で観光に来られていたそうで、その日の夕方の飛行機でメルボルンに帰るために、少し早いけど空港行きのバス停に向かう途中だったそうです。
あんな場所に知り合いがいるなんて思いもしないので、普通なら声もかけないと思います。
でも、その時は不思議と気がついたら呼び止めてしまいました。
先輩とは卒業されてから会っていなかったので、近況も何も知らなかったのですが、ワーキングホリデーでオーストラリアにいらっしゃったそうです。
日本でお互い社会人として働いていて、偶然会うことも難しいのに、海外で会えるなんて!話しているうちに、この出会いがどれほど偶然であるか。タイミングが少しでもズレていれば会えていなかったかという事を実感し、鳥肌が立ちました。世界は狭いなと感じた出来事でした。
(大阪府 女性)