大女将の亡霊がいまも住み着くいわくつきの料亭
5年前に勤めていた料亭でのこと。閉めの作業中にふと離れの方から視線を感じました。じっと見つめても照明の点いていない真っ暗な廊下と部屋しかなく、ネズミでもいたら大変だと様子を見に行くことにしました。
施錠途中だった窓のカギを閉め、離れの方に向かい歩いていたその時、急に身体が動かなくなりました。
視線だけ足もとに動かしてみると母屋と離れを繋ぐ廊下の境目の一歩手前でした。
その日は真冬でしたが室内は暖房が利いていて暖かいはず。それなのに足元からドライアイスのような冷気が足に巻き付いて上ってくるように感じるほど全身を寒気と鳥肌が襲いました。
急に怖くなって強く「帰りたい!!」と思ったとたん身体がふと軽くなり、先ほど感じていた冷気も感じなくなりました。
急いできた道を引き返し荷物をまとめてすぐに帰宅しました。
翌朝出勤した後に先輩社員に聞くと「ああ、それは大女将の仕業だね。パートさんでも時々見える人がいるんだ。離れに居ついてるから物置(以前は客室だった部屋)のドアから向こうにはいかない方がいいよ」と教えてくれました。
そう言われ再度じっくりと離れの方を見ると大きな窓に誰かの影が見え、不意に目が合った気がしました。
それからというもの、日に日に私の体調が悪くなり、影を見た日からわずか2週間で退職してしまったのでその後どうなったかはわかりません。
(新潟県 女性)
壁から白い手が出ていた店舗
約15年くらい前の私が小学4年生の頃、母が経営するリサイクルショップが大阪市西成区にありました。
週末にお店に遊びに行っていた私は、お店の壁から何か出ていることを母に言いました。
当時の私はまだ何が幽霊でどんなものが心霊現象なのか全く理解しておらず、怖いという感情はありませんでした。
今でもはっきり覚えているのは、その壁からでていたのは肘よりちょっと上くらいから出ていた白い腕でした。
その壁の手前にはベビーベットが置いてあったことも覚えています。
「なんであんなとこから手でてんねやろ〜」と思ったことを覚えています。
当時それを母に怖い話しとしてではなく、見えているものの報告として話したみたいで、母は「あんたその手の小指がないとか言うから、私毎日お店閉めるとき「お先に失礼します!」って挨拶してからしか出られへんようになってもーたんやで!」と言っていました。
当時怖いと思わなかったせいなのか、今思い出しても特に怖いという感覚にはなりませんが今でもとても鮮明に覚えています。
当時お店だった場所は今でもありますが、さすがに今もう一度見に行く気にはなりません・・・。
あの建物が解体されることはないように思いますが、いつか解体される日が来たらきっと出てくるんだろな〜と思います。
(女性)
美容師さんから聞いたいわくつきの店舗
私が通っている美容室の美容師さんから聞いた話です。
その美容室は、駅から近い便利な場所に多数店舗を構える、チェーン店なのですが、1店舗だけ、田舎の町はずれの美容室がありました。店内は光が差し込まず、電気をつけていてもなぜか薄暗く、いつもどんよりした雰囲気が漂う、近づきづらいお店だったそうです。
年末になり、スタッフみんなで大掃除をすることになったそうです。トイレ掃除をしようと思ったそうなのですが、カギがかかっています。きっと誰かが入っているのだろうと他の場所から掃除を初めて40分。ずっと鍵がかかったままで、部屋を見渡すと全員のスタッフがいるとのこと。
誰もトイレに入っていないのではないかと外からドアをトントンとすると、トントンとかえってくる。誰が入っているんだ?でも全員いるしと思ってドアを開けると、トイレには誰もいなかったそうです。
みんなで怖いと言いながら、あるスタッフが天井の掃除を始めました。脚立にのぼり、電球のほこりを雑巾できれいにしたり、天井を拭いたりしています。
そのスタッフがいつまでたっても天井を拭くことを辞めないので、他のスタッフが、いつまでやってるの?と声をかけました。すると、天井の汚れが吹いても吹いても取れないんだとこたえが返ってきました。
天井をよく見ると、いくつもの手形がびっしりついていたそうです。スタッフみんなで驚いて絶叫したそうです。その美容室は、とても繁盛している人気のチェーン店ですが、その田舎の店舗だけ2年で潰れたそうです。
(京都府 女性)