葬儀場のどこかから聞こえる亡くなった祖父の詩吟の声
2年前、父方の祖父が亡くなりました。晩年は、老人ホームに入り、会う時間も取れず、突然の訃報にただ驚くばかり。実家に近い堺東の葬儀場で祖父の臨終の姿を見て、時間を作ってでも会いに行けばよかったと後悔しています。そして、夕方6時に通夜が行われました。
生前祖父に世話になった方も多く参列してくれて、通夜も終わり、親族だけで葬儀場に予約した夕食をとりました。
話は盛り上がってましたが、仕事の話になるとどうもついていけない私は、亡き祖父の御守を自ら引き受けました。棺桶に入っている祖父に、会いに来れなくてごめんねって泣きながら謝ったのは今でも覚えています。翌日の告別式に備えて、寝間着に着替えて寝ることにしました。
うたた寝状態だったと思います。どこからともなく詩吟が聞こえてきました。
翌朝、係の女性に何か困ったことはないかと尋ねられました。こまったことはないけど、詩吟が聞こえたといいました。しかし、葬儀場にいた女性は詩吟など聞こえなかったといいました。でも、祖父は生前詩吟をたしなんでいました。それを伝えると、会いに来てくれてありがとうとお礼を伝えたのではと言われました。不思議な体験でしたが、府に落ちました。
(女性)
祖母の遺影がしゃべった!
これは祖母の葬儀場で起こった出来事です。
祖母は4年前に肺炎をこじらせ、気管切開をして喋ることができない状態でした。会話は筆談。遊びに行くと、生かされているのが辛い、死にたいと、いつもホワイトボードに書いていました。そんな祖母が亡くなった時、悲しさはありましたが、どこか楽になれて良かったね、と祖母に対する思いがありました。そして葬儀の日。お坊さんがお経を唱えてる時にそれは起こったのです。
あたり一面が急に光に包まれ、眩しくなりました。すると、なぜか祖母の遺影が目にとまったのです。
完全に無意識で、なぜか目に入ったのです。すると、それまで表情が無かった祖母の遺影に変化がおきたのです。祖母がにこやかに笑ったのです。さらに、口が動き始めてなにかを喋ろうとしているようでした。よく見てみると、〇〇(私の名前)がんばりなさい。と口が動いたのです。驚きのあまり、その場に固まってしまいました。
その間もお経は続き、あたり一面が光に包まれ、祖母は微笑んでいました。いったい何分が経過した頃でしょう。急に光が消えて、祖母の遺影も元に戻ったのです。いったいあの光はなんだったのか、祖母は私になにを伝えたかったのか。それは今でもわかりません。
(東京都 女性)
兄にそっくりな亡くなった祖父
14年前に亡くなった私の父のお通夜の日の事です。私には5つ年上の兄がいます。長男だし喪主なのでゆっくり悲しんではいられない様子でした。
葬儀社の方との話し合いもしなければならないので大変だと思う反面、兄がいてくれて感謝の気持ちでいっぱいでした。
夕方からお通夜が始まり、たくさんの方がお焼香してくださって父の交遊関係の広さに驚きました。困っている人がいると放っておけない優しい父は人気者でした。そして通夜振るまい(会食)の時に数人の方が同じ事を言うのです。「あれ?〇〇君(兄の名前)、ここにいたの?いつ戻ってきたの?」とか「〇〇君、喪主なのにもう着替えたかと思ったよ」など口々にずっと会場にいた兄が外にいる、と話すのです。
変だなと思ったら、父の兄である伯父さんが一言「親父が迎えに来たんだな」と言いました。
目撃した人たちが一斉に「あー、そうだ。〇〇さん(父の親、私からは祖父)だわ!」「そうだ、〇〇さんだよ。ちゃんと軍服着て帽子も被ってたわ」と言うのです。私は子供の頃に伯父の家の仏壇に置いてある若い日本兵の写真を思い出しました。その人は私の祖父で27歳で戦死しました。その人が兄に瓜二つだと以前話題になりました。軍服姿でこの葬儀場をじっと見上げていたのをかなりの人が目撃したのでした。
一瞬驚きましたが、私も勿論祖父には会った事がないので怖いとかいう感情よりも「どんな人か私も見たかったな」と思いました。
父も1歳前に祖父が戦地に行ってしまったので時々寂しそうに「親父はどんな人だったのかな」と呟いていました。葬儀場に父をお迎えに来てくれるなんて素敵な祖父だと思いました。天国で仲良く過ごしている事でしょう。良かったね、お父さん。
(千葉県 女性)
おばあちゃん子 心霊体験談
私はかなりの祖母っ子でした。物心ついた時には起きても寝る時も祖母が側にいて、居るのが当然でしたが、小学6年生の時に癌で亡くなってしまいました。冷たくなった祖母が家に帰ってきた時からも側を離れる事が出来ず、葬儀場に移動させられてからも檀上に移動になってからも離れずにずっと泣いていました。
祖父も父も悲しみに暮れながらもそんな私に離そうとはせず、交代でついていてくれました。母は気にはかけていてくれたものの、手続きなどで忙しく動き回っていました。
お通夜も終わったその夜、葬儀場に泊まる事が出来ると聞いた私は、そちらを希望して変わらず檀上にいる祖母の近くに座り込んでいました。さすがに徹夜で泣き続けていたせいか、眠気に襲われていた私を引き寄せる手が頭に乗ってきました。そのまま抵抗できずに横になると、懐かしい膝枕の感覚と匂いがして、大好きな祖母の声で「ごめんなぁ、お前の中学校入学式行ったげるって言うたのになぁ、ごめんなぁ?」と聞こえてきました。
祖母の悲しそうな声で言われた私は、「来てくれたらええやん。これからだっていろんな事についてきて見ててや。ずっとそばで見ててぇな?」と返すと「あぁ、約束や。ずっとそばにおるからなぁ」と言ってくれました。
そして私はろうそくの火を確認しに来た祖父に起こされ、先程の事を伝えると、祖父が棺桶の窓を開けて祖母の顔を見せてくれました。
見るとお通夜の時には真顔だった祖母が両目から涙を流して笑っていたのです。「お前を一番可愛がって心配しとったからなぁ。大丈夫やと思って安心したんやなぁ。」と少し泣きそうな声で言っていました。
(兵庫県 女性)