オフィスに現れた霊
昔から暗闇を怖いと思ったことがなく、IT企業のオフィスで夜間警備のアルバイトをしていたことがあります。足音らしきものが聞こえて同僚が怖がっていても、何とも思わなかったぐらい度胸がすわっていたのですが、勤務中、人が絶対にいない倉庫から子どもの声がしたので覗いてみると、男の子の姿が見えてびっくりしたのですが、どこから来たのか、親はどこにいるのか、そして名前などを聞こうと思って改めて彼の全身を見てみたら、胸から下が無かったのです。
一瞬、わけが分からなくて、言葉を失ってしまいました。最初は彼の体が物に隠れているんだろうと思ったのですが、私との距離は1、2メートル程度とかなり近く、間に棚などが置いてあるわけでもなかったので、自分が何を見ているのか気づいたときはすごく動揺しました。
混乱しすぎて同僚を呼ぶこともできず、どうしようかとさっき自分が通ってきた通路を振り返った一瞬で、男の子の姿はもう目の前から消えてしまいました。
倉庫は暗かったのですが、男の子の姿や顔は妙にはっきりと見えたのを覚えています。もしかすると生前に嫌なことを体験した幽霊かもしれないので、今まで他の人にはこの体験を話していません。
(女性)
先輩方から聞かされるオフィスビルの噂
滋賀県のオフィスビルで警備員として勤務しています。
そこのビルは10階建てで、入居者は遅くても22時頃には帰宅され、その後は無人となるのですが、24時間体制のセキュリティで管理していますので、夜勤業務があります。しかしそこのビルのすぐ側には処刑場であった場所があり、古株の先輩方の話では夜勤でいろいろ体験した話を聞かされていました。私は霊感はないのでさほど気にすることなく夜勤を行っていた日の事です。
いつも深夜0時頃に館内点検のため巡回をするのですが、その際に業者が搬入するためのエレベーターを使用して最上階まで上がり順に下りていくというなが流れとなります。しかしなぜか誰もいないはずなのに8階で止まるということがしばしばありました。
そんな経験をしながらも5年間そのビルで勤務しております。しかし特に体調不良などの問題はないのですが、8階でエレベーターの扉が開いたときは驚くほど冷たい空気が流れて来ます。
以前に搬入業者の方と会話した時に「このビルの8階ってちょっと変わった女の人がいるよね」と言われた事があり、やはり何かあのフロアにはこの世のものではないものがいるのかもしれません。
(京都府 男性)
霊が出るガス工場
某大手警備会社で機械警備隊員として勤務していた時の話になります。工業団地の一番奥にあるガス工場は以前より霊が出ると隊員間では有名な契約先でした。
私がエリア担当の日にガス工場の異常信号を受けて現場に急行しました。待機所からガス工場までに5個ある信号は全部青信号で、現場に到着したのが0時0分。何かどんよりとした重い空気の中が漂う中で、侵入者がいないか点検しました。
結果は、特に異常も見つからず気が緩んだ際に突然の腹痛が…待機所まで持ちそうもなかったので仕方なくトイレを拝借しました。既に霊が出ると言われている施設と言うことは頭の中から消え去っていました。
トイレも終わり洗面所で手洗いをしていたときです!
深夜にも関わらず事務所の電話がなり、事務所側に目を向けました。当然、誰もいないので目線を基に戻した瞬間、鏡に微笑んでいる若い男性の姿が映っていました!
ビックリして思わず後ろを振り返りましたが誰もおらず、鏡に写っていた若い男性の姿も消えていました。
速攻で先輩に報告したところ、1年前に先輩も全く同じ経験をしたそうです。
ガス工場の方を不安にさせてもしょうがないと言うことで、真相の確認は出来ていませんが、それ以降、鏡に写っていた若い男性は現れてないそうです。1年後にエリア担当のシフトになっていませんように…
(宮崎県 男性)
深夜の学校に現れた踊る少女
これは、私が学生時代に体験した話です。当時、友人と遊ぶことが多くお金に困っていた私はたまたま目にした夜勤警備員のアルバイトをすることに。そのアルバイトは取り壊し中の学校に不良が入り込まないように監視する、といった内容のもので「夜に立っているだけなら楽チンだな」と安易な気持ちで申し込みました。
無事に面接を通過しバイトをすることになった私は、指定された場所に向かうことに。過疎地域の学校ということで周囲には何もなく、該当も少なかったため懐中電灯が支給されました。夜7時から朝方5時までを一人で担当するということで少し不安がありましたが、お給料が高かったため我慢して現場に入ることに。
取り壊し中の学校はところどころ形が残っている部分があり、夜になると更に不気味さを増していることに悪寒が走りました。
警備を始めてから特に何も起こらず、夜も更けてきてうとうととし始めたころのことでした。どこからか子どもの声が聞こえるのです。しかも一人ではなく数名の。「こんな夜更けに…?」と不思議に思った私は懐中電灯であたりを照らしました。どうやら声が聞こえるのは取り壊し中の学校からのようでした。
誰も立ち入る様子は見受けられませんでしたが、どこかから入り込んだのかもしれないと思った私は外から様子を見ることに。懐中電灯で照らしますが真っ暗で何も分かりません。気のせいだったのかと持ち場に戻ろうとしたそのときです。誰もいないはずの学校の中に、一人の女の子がいたのです。
先ほど懐中電灯を照らしたときには誰もいなかったのに。その子はくるくると踊りだし、その周りに人魂のようなものがどんどん増えていきます。その光景から何故だか目を逸らすことができず、ずっと眺めていました。
不思議と怖いという感情はなかったように思います。踊りが終わったあと、自然と拍手を送った私に少女は丁寧にお辞儀をし「私の踊りを見てくれてありがとう」といい人魂とともに消えていきました。
その後は特に何もなくバイト終了時間を迎えました。学校は取り壊され、その場所には何も残っていませんが時々この不思議な体験を思い出します。今もあの少女はどこかで人魂と一緒に踊っているのでしょうか。
(奈良県 女性)