今から10年程前、資格取得のために休職し、地元のとあるガールズバーでアルバイトをしていた時の話です。そのお店は地元では安くて居心地のいいと評判のお店で、ほとんどのお客さんが常連さんで新規の方はほとんど見かけなかったです。
ある日、ふらっと来店した不思議な方。名前は伺わなかったのですが、仮にAさんとします。小さなお店でしたので女の子も少なく、たまたま手が空いていた私がAさんとお話させていただくことになりました。
Aさんの背格好は、都会的な小奇麗な格好で中肉中背。でどことなく何を考えているのかわからないような、例えるならリリーフランキーに似ていました。
当たり障りのない会話をしてお酒も進んできた頃。「俺、人の体の悪いところがわかるんだ。」と話し始めるAさん。「ちょっとソファーに寝てみてよ。」いかにも怪しい。怪しすぎる。
外見も相まって、そう思わざるを得ませんでした。「またまたー。」と話をはぐらかしていましたが、そこにちょうどそこにやって来たチーママに「せっかくだから見てもらいなよ。」と言われ断ることができませんでした。
店の壁に沿って設置してあるソファーに上向きで寝るように促され、ドキドキしながら寝転ぶとおもむろに自分の右手のひらを、私の体から10cm程離して体に沿うように動かし始めました。頭の先からつま先まで。
一通りその儀式が終わると、こう話し始めました。
「今、慣れない勉強か何かしてる?頭がすっごく疲れてるみたい。あとあんまり寝てないでしょ。疲れてるって感じが伝わってるよ。あと、働くのはいいけどしんどくなる前に考えないと。」と言われました。
自分の話は何一つしていないのに。
当たり障り無い会話しかしていないのに言い当てられていました。
「あとね、腸。君の腸は死んでるよ。でも、元から弱いみたいだから大事にしてあげないとね。」更にびっくりしました。昔から便秘が酷く、お医者さんから処方してもらわないと便通が悪いことまですっかり言い当てられてしまいました。
興味半分に話を聞いていると、体の悪いところが手をかざすことによってモヤーっと感じるそうです。体の声が聞こえるらしいリリー・フランキー。一体どこの誰だったのかなあ・・
(富山県 女性)