死者が伝える事の真相
今からちょうど10年前、私が入社して4年目の事です。そこの介護施設は100床ほどの大きな施設で、看取り介護があり、ターミナルケアも行いました。
そして私が夜勤の日、Kさんという女性利用者さんが体調を崩されました。
ナースコールが鳴ったのですが、私は他の患者さんの所で手いっぱいで、駆け付けるのに時間がかかってしまったのです。部屋に行くと既に汗だくで高熱が出ておりました。その時、他のもう1人の職員は手が空いていたのになぜ対応しなかったのかわからず……。
Kさんは元々肝硬変でしたので、体調が悪化しやすくなっており、ほとんど意識がない状態に。
翌朝から終末期ケアが始まり、水分は点滴でまかなったりしていましたが、3週間で穏やかな最後を迎えられました。
施設では、当時は故人のお別れ会があり、同年代の方のお手紙などで涙を流したりされている方もいました。
その会の最中に起こったのです。
カーテン越しに、Kさんが見えました。窓は開いていないのにはっきりとカーテンは揺れており、優しい笑顔で立っていました。
その夜から、毎晩Kさんの部屋からナースコールが鳴るように。しかもナースコールに応じる事が出来なかったあの職員が夜勤の時に限って何度も鳴ったと言います。もちろん私も体験しました。
私は遺影の前で問いかけてみることにしたのです。
そしたら頭の中に、例の行かなかった職員は手が空いていたのに、眠くて面倒だから、訪問しなかったそうです。
その事を、Kさんは私に伝えたかったようです。
その後、その部屋からナースコールは鳴ることは無くなりました。
(宮城県 女性)
歩行器で徘徊する亡くなった利用者
5年前、認知症専門施設のグループホームで勤務していた時の体験談になります。
そこの施設はまだ新しく、職員も少なかったので、夜勤はワンフロア1名体制でした。
8居室ありますが、当時は満床ではなかったので、暇なくらいでした。
そして深夜1時くらい、次の巡回まで時間があるし、ちょっとウトウトと休憩していた時です。
廊下からキィ…キィ…と何かを引きずるような音が聞こえてきたので、だれか歩行者でトイレでも言ったのかなと思いました。
でもトイレならカルテにチェックしないといけないし、足が悪い人なら一人で用を足せないしって腰を上げた瞬間、ふと気づきました。
脚の悪い人はセンサーが付いているので、受信機に反応があるのです。しかも廊下に出てみても誰もいません。
おまけに歩行器の音が聞こえた部屋は施設で初めて看取った部屋でもありました。
後日、他の職員は歩行器を使って歩く人影を見たという人もいました。その音は数週間続き、そのうちなにも噂は無くなりました。
(兵庫県 女性)
手招きする白い人
以前、介護の仕事で夜勤をしていた時の体験になります。
いつも通り夜勤に仕事をしていると、窓も開けていないのに、急に風が吹いた事がありました。
窓を確認しましたが開いておらず。
そしていつも同じくらいの時間にそのような現象が続いたのです。
気になってから1ヵ月後くらいに今度は「コンコン…カタカタ…カサカサ」といった音がするようになりました。
私は天所になにか虫かネズミでもいるのかと思いましたが、やはり夜勤帯の同じ時間に起こるのです。
再び気付くと音は止んだのですが、今度は空き室から物音がしたり勝手にドアが開いたりと次々と怪奇現象が起こり恐怖を覚えました。
ある日の夜勤では、いつもの物音が聞こえてきたと思ったら、空室前の廊下に、白くてボヤっとしたものが見えました。目の疲れなのかな?と思いましたが、また他の夜勤の日にも目撃。
その時は白くボヤっとしていましたが、人型で白いワンピースを着ている女性だとハッキリと変化してゆき、こっちに向かって手招きをされました。
私はそのまま同僚の所まで逃げて、伝えると、軽くあしらわれてしましました。
しかし翌日、他の同僚に聞いてみると、同じ体験をしたようで、その幽霊は夜な夜な職員を呼ぶ名物おばあちゃんの霊だと言っていました。
その方は寝る時にはネグリジェのようなものを着て寝ていたそうです。
(佐賀県 男性)