毎日移動してゆく猫の目線
少し前ですが、我が家には数匹の猫がいました。猫は昔から飼っていて、基本的にずっと多頭飼いです。
不思議な体験をしたのは約二年前(2017年)です。
ある日、一匹の猫が部屋の天井の隅を見て鳴くようになりました。
最初は虫か何かがいるのかなぐらいで気にしてませんでしたが、日が過ぎる度に二匹、三匹、最後には当時、我が家に来たばかりの子猫さえ天井の隅を見て鳴くようになりました。
正直、何かを狙って凝視してる訳じゃなかったので、恐怖と言うよりは心配でした。
それから数週間、日課のように天井を見ていましたが、母親が気付きました。
段々猫達の目線が下がっていると。
確かに天井から下がり、下手な猫が背伸びかジャンプすれば届く位置。
ですが突然、ある日猫達は天井や見ていた場所で泣かなくなりましたが、母親がまた気付きました。
今度は床下を見ていると。気付けば同じ床を皆で見ています。
ある日、水道関係の工事で床下をあける事になったのですが、理由が分かった気がしました
。床下の地面の中に動物の骨らしきものが見付かったからです。
恐らく猫達はその骨の持ち主である何かの存在を見て、段々元の場所に戻っていくそれを見届けていたのかもしれません。
(茨城県 女性)
祖母が亡くなった時の体験談
もう10年以上前、祖母が入院する事になり実家で祖母の猫を引き取る話になりました。
名前は「ククル」。
月1ペースで祖母の家に行っていたので最初は戸惑っていたククルでしたが、一週間ほどで自分のテリトリーが見つかったのか、落ち着いて過ごす日々が続きました。
祖母が入院してから2ヶ月の事でした。
病院から「いつお別れが来てもおかしくない状態」だと言われ、みんな覚悟していました。
大好きな祖母が病気になり、入院と立て続けにバタバタと過ごしてきました。
ベットで泣いているとククルが傍に寄って一緒に寝てくれた事もありました。
ある日の台風の日。
あれはお昼頃でした。
停電が続いて、不憫な思いをしていた時ククルがいきなり「ニャアアオオ!!」と鳴き始め、尻尾がピンっと立っていて、母と「どうしたんだろうね?停電だからビックリしてるのかな?」と話していた所、ようやく停電が治りスグに電話がなりました。
それは病院からの電話でした。
祖母が亡くなった事を知らされ急いで病院へ向かいました。
ククルは廊下に座っていて私達がバタバタと支度していても一切動かなかったのです。
不思議に思いながらも祖母に会い、家族全員で葬式や通夜の支度をしなければならかったので一旦家に帰りました。
ククルはまだ廊下にいました。
「もしかしたらおばぁちゃんが来ていたかもね。ククルの嬉しそうな顔初めて見たよ」とククルの顔を見ると、嬉しそうに甘えた声をだしていたのです。
ククルに会いに、最後に祖母が来てくれていたと信じています。
(女性)
祖母の家の階段
私の祖母の家で飼ったいる猫のお話です。
その猫は突然、誰もいない二階にダッシュし、廊下で泣きだすことがありました。
祖母はたまにこういうのがあると言って気にしていませんでした。
ある日、留守番を頼まれました。
猫と私で遊んでいたのですが突然猫が階段をジーと見つめているのです。
私はなにかあるのかと思い階段を見たのですが何も無く、猫を見たら何かを追っているような感じで見つめていました。
その様子を見ていたら怖くなりテレビを点けて気を紛らわせていたのですが、二階の廊下が子供の駆け足のようなドタバタ走るような音が聞こえてきました。
もちろんおばちゃん家には自分と猫しかいません。
子供などいるはずないのですごく怖くなりました。
おばちゃんに電話をかけたのですが出なくて帰ってくるのをじっと待っていました。
猫は2階に上がることも無く平然としていました。
それからは何も無かったのですがとてもその時は怖かったです。
それから猫が亡くなり新しい猫を買ったのですが階段が気になるらしいです。
買う猫全員階段を目でおっています。
きっと何がいると思います。
(鹿児島県 女性)
祖父の告別式の夜
じーっと見つめる猫祖父が亡くなり、通夜とお葬式が終わって、火葬場の帰り道を亡くなった人が付いてこないように、来た道とは違うルートで帰っていくというのが日本の習わしみたいで、私達もそういう風に帰ってきたのですが、ひと段落ついた夜です。
22時ごろに家族と居間でテレビを見ていた時、「うーっ!」という声が聞こえ、私達は何事かと声がしたところを見てみると、そこにはうちで飼っている猫のミー子がいました。
どうしたんだろうと家族と顔を見合わせてと猫がじーっと玄関先を見つめているのですが、見つめているところは上の方で、人が立っているぐらいの高さを見つめていたのです。
誰かいるのか…そんな気がして、祖父が帰ってきたのではないかと思って、家族に言いました。
家族も思っていたらしく、少し震えてしまいました。
私達はミー子の視線を玄関先からそらさせるために名前を呼んでみると「ニャン」と意外とあっさりと視線を外し、私達のところへと来たのです。
私達はホッと胸をなでおろしたのですが、今でもあの時の少し寒気を感じる行動は祖父には悪いですが、何度も起きては欲しくない感じでした。
(東京都 女性)
ネコが感じた死の匂い
マンション暮らしなのですがウチには猫が二匹居ます。
一匹はペットショップで二匹目は保護猫なんです。
名前はノンタ。
元の飼い主は高齢の方でいつかはわかりませんが飼い主さんが病気でなくなってしまったところ、運よく様子を見に来た親類の方に保護された猫なんです。
その子が紆余曲折を経てうちに来ました。
普段は大人しく眠そうな顔で反応がありません。
年齢は3歳なんですけど初老みたいな貫禄があります。
そんなノンタですが、ある日のこと冷蔵庫の上で天井を見上げて「ニャッニャッ」とへんな鳴き声を出してました。
ご飯かと思って用意したんですけどすぐに手をつけずにまだ天井を見上げて「ニャッニャッ」と鳴いてます。
よくわからんなぁと思いつつ放置してたらしばらくしたら鳴きやんで降りてご飯を食べ出しました。
そんなことが2.3日続きました。
その後は全く落ち着き普段どおりに戻りました。
それから数ヵ月後のある日、ウチの前に救急車やパトカーらしき車が止まっていました。
どうしたのかな?と思いその場にいた隣の奥さんに聞いてみたら、どうやらウチの真上にすんでる年配のご老人が孤独死していたようです。
隣の奥さんは面識があってその老人が毎朝日課の散歩に出てたのに急に見かけなくなった。
それが数ヶ月前のウチのノンタが天井を見上げて鳴いてた頃なんです・・・。
偶然だったのかそれとも老人の異変をノンタが感じていたのか、それなら自分が気付いて様子を見に行って居れば・・・今でも思い出す度複雑な気持ちになります。
(大阪府 男性)