守り神
私がまだ中学生の頃ですが、交通事故に遭い、身体的な後遺症はほとんどなかったのですが、唯一、顔に大きな傷が残りました。
そのため事故以来人に会うのを避け、学校でも常にマスクをつけてうつむいていました。
そんな私を心配した両親が、犬を飼うことにしたのです。
その犬は少々気性が荒いところがありましたが、とても可愛らしく、私によくなついてくれました。
犬の散歩も率先してやり、そのおかげで私は徐々に顔の傷を気にすることがなくなり、性格も明るくなっていきました。
やがて実家を離れ、大学の寮で暮らし犬とは離れ離れになりましたが、犬の写真をいつも持ち歩いており、今も大切に持っています。
その犬が気性の荒さからか、近所の犬とケンカをしたらしく、傷だらけで死んでいたのが見つかったと連絡がきたときには、本当に悲しかったです。
しかしどうやらその犬が、今は私の守り神といいますか、守護霊のようなものとなって憑いているようなのです。
いつの頃からかわかりませんが、私はお稲荷さんの鳥居をくぐるとなんだか気まずい雰囲気を感じていました。
落ち着かないというか…お稲荷さんに嫌われてるのかしらと思っていたのですが、鶴岡八幡宮を訪れたときのことです。
そこにも立派なお稲荷様がいらっしゃるのですが、その鳥居の前で見知らぬおじいさんが「白い犬がいる。」と私の方を見ながらおっしゃいました。
しかし犬なんて境内の中にはいません。
私が驚いている間に、おじいさんは一緒にいらした奥様でしょうか?ご年配のご婦人に腕を引っ張られて行かれました。
わが家で飼っていた犬は真っ白な犬でした。
私はそれ以来、たぶんこの飼っていた犬が私に憑いていて、そのせいでお稲荷さんと気まずくなるんだろうと思っています。
犬憑きはお稲荷さんに近寄ってはいけないって言いますしね。
(女性)
愛犬の視線
昔、中型犬の柴犬系の雑種を飼っていた時の話です。
18年生きていましたが、脱腸やヘルニアで、2度程手術もして、後ろ足が不自由になり、おむつ生活が長くなり、体力も落ちてきたので、玄関の内側で段ボールにタオルを敷いて寝かせていました。
いつあの世に行ってもおかしくない状態だったのですが、亡くなる3日くらい前に、割と意識が鮮明になり、反応も出てきました。
ふと、通りかかると、私の顔と何もない空中を何度も見比べて、私にお伺いを立てているような、戸惑い顔をして見つめてきます。かなり驚いているように見えました。
元々死後の世界や霊的な存在を信じていたので、「あぁ、お迎えが来ているのかな?」と思って私は「いいんだよ、もう一緒に行ってもいいんだよ」と言いました。が、その時周りには私しかおらず、家族にもそのことは何となく話しませんでした。
霊感はあまりないので、何が見えた訳でもなく、直感で答えてしまったので、「あれでよかったのかな?」と思っていたのですが、言った後に、飼っていた犬が妙に落ち着いておとなしくなったので、何かは通じたかな、と思っていたところ、それから3日後に亡くなったので、「やっぱり何かの連絡があの世から来ていたのかな」と妙に納得したのを覚えています。
今までは体調のせいや不満などでよく鳴いていたのですが、その3日間は本当におとなしくて、亡くなったのを見つけたときも、顔が起きたままで宙を見つめるような目線の位置だったので、「ちゃんと誰かが(親犬?)飼った人たち家族はみんなまだ生きていたので、呼びに来てくれたのかな」と少しほっとしました。
(兵庫県 女性)
飼い主の危機を察した愛犬
今から4年くらい前の話です。
私は子どもを妊娠しました。当時33歳でした。
一般的な産婦人科に通っていて、若干肥満気味であったこともあり、血圧の上が140くらいで高めだったことを覚えています。
共働きの夫婦だったので、妊娠が分かってからも平日は夜遅くまで働いていました。
血圧が下がることはなく、慎重に経過を見ていました。
私の家は一匹の犬を飼っています。ミニチュアシュナウザーで黒色の犬です。
私が独身時代から飼っていた犬で、ほとんど吠えることはなく、穏やかな犬でした。
ある土曜日の出来事です。
飼っている犬がいつもは乗ってこないお腹に乗ってきたのです。
もしかしたら子どもに何かあったのではと思い、すぐさま産婦人科へ行きました。
血圧が160まで上がっており、即入院となりました。とても危険な状態でした。
入院した病院では出産が難しいということで遠くの病院を紹介してもらい転院しました。
2週間後に25週という短い妊娠期間で子どもを産むことになりました。
原因は妊娠高血圧症という病気でした。
子どもは約500グラムという超低体重児として生まれました。
今はもう4歳になろうとしています。
奇跡的に目立った障害もなく、元気いっぱいに生きています。
もしあの時飼っている犬がお腹に乗ってこなかったら、子どもの命は助からなかったかもしれません。
飼い犬がとった普段と違う不思議な行動に今も感謝しています。
(女性)
従順な愛犬
以前飼っていたダックスフンドの愛犬がいました。
15歳で亡くなってしまったのですが死ぬ二週間前からご飯も食べに来れないぐらい立ち上がることができずほぼ寝たきりの中看病していました。
褥瘡ができないように2時間おきに態勢を変えてあげたり夜中に痛がりすすり泣きするので近くで一緒に寝たりと正直可愛そうな反面もう頑張らなくていいよと思ったぐらいでした。
そんな状況の中いよいよだめかなと思っていた当日妻も私も仕事があり、朝、犬の様子を見ていると二週間立ち上がらなかった犬が頑張ってたっていかにも見送ってくれるかのようでした。
その日は物凄く気になっていた矢先に昼で仕事を終えた妻から犬が動かないと連絡がありました。
覚悟はしていたのですがショックでその後の仕事が手につかず少しだけ早く切り上げて帰宅することにしました。
帰ってみると動かなかった犬が私の帰りを待ってこの世を旅立つかのように帰宅後、すぐに息を引き取り見送ってあげることができました。
その時感じだのはやはり犬は飼い主に従順でなんだかありがとうと言われたような気がしすごく不思議な感覚でした。今でもその日の光景はしっかり覚えています。
(大阪府 男性)